「VOGUE」「GQ」から編集長が消えた!?北田淳コンデナスト・ジャパン社長を直撃
Nov 26, 2021.Tokyo, JP
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菅付氏は、カール・ラガーフェルドの死に際しては、「大衆の気分がわかる人、最後の皇帝は、ファッションの民主化革命の中で、その貴族性を損ねることなく、民衆のものにする懸け橋となった」(P.44)と絶賛する。そうだろうか?ラグジュアリーブランドにおける「傭兵デザイナーシステム」のプロトタイプを作った人物という私の評価とは懸け離れている。「彼(ラガーフェルド)が活躍した1970年代から2010年代までを振り返ると、ラグジュアリーブランドが大衆化した時代だった」(P.44)と菅付氏は書くが、「ラグジュアリーブランドのマルチコングロマリットがファッション独占資本主義を構築した時代」と書くべきだろうと私は思う。
いくつか苦言を呈してきたが、菅付氏の本著が凡百のファッション本を軽々と凌駕する好著であることは間違いない。私のようなヘソ曲がりではないファッションが好きな人々には発見がたくさんあると思う。是非一読を薦めたい。