「Olive」や「ku:nel」「GINZA」の編集長を歴任した淀川美代子氏が11月10日に死去 日本の雑誌文化に貢献した淀川氏を悼む
Dec 15, 2021.Tokyo, JP
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ところで、淀川さんの死去について問い合わせをするとマガジンハウスでは「故人のご意志を尊重して当社から特に発表する予定はございません」という回答。これだけの貢献をしたのにもかかわらず、また1980年代、1990年代の雑誌文化を代表する人物であるにもかかわらず、どうも「お別れの会」を催す意向もないようなのである。とてもそれどころではないご様子である。雑誌編集を志す青年から、雑誌のオリンポスと崇められたその名もマガジンハウスとしてはこの名編集者の死をやりすごそうとするこのムードはいかがなものであろうか。
そんなことだから、「付録をつけたら雑誌なんて簡単に売れる」なんていう出版社にコテンパンにやられてしまったのではないか。
それにしても、「GQジャパン」の鈴木正文編集長、「VOGUEジャパン」の渡辺三津子編集長が今年一杯で退任し、「ハーパースバザー」の塚本香編集長も退任、そして淀川美代子さんの死と、ひとつの時代が終わりつつあるのを同じ時代をファッションと活字とともに生きて来た身としては痛感せざるを得ない年の瀬である。
稀代の名編集者の死に合掌したい。