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活気は戻ったが話題も驚きもなく現状維持のパリコレクション総論

Oct 14, 2022.もりかおりTokyo,JP
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写真:左から「ドリス ヴァン ノッテン」LOOK64、「ロエベ」LOOK34、「コムデギャルソン」LOOK4

ミラノに続いて9月27日から10月4日まで行われたパリコレクションでは、コロナ以前の活気が本格的に戻ってきた。ブランドのアンバサダーになったスター達が各国から集まり、スナップ常連のインフルエンサーたちも勢揃いした。ショー開始までの撮影タイムはレッドカーペットさながらの華やかさだった。

デザイナーの入れ替わりが無いシーズンは久々だったかもしれない。そのくらいトピックの少ない穏やかなシーズンだ。穏やかさは今シーズンのトレンドにも現れていたように感じる。実際には穏やかというより現状維持、といったところか。大きく変わらないことがトレンドでもあり、持続可能な社会という世界的な流れへのデザイナーたちからのアンサーでもある。ミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada)による「ミュウミュウ(MIU MIU)」もここ3シーズンほど、バスト下から腰までの大胆な肌見せとミニボトムというテイストは変えず、ぷっくりと膨らむアウトポケットやヴィンテージ加工のレザー使いなど、あしらい方の変化に挑戦しているようだ。冬から夏への季節の移り変わりは色や素材で変化はあるが、ここ数シーズンのトレンドのY2Kの流れは継続で、「ミュウミュウ」のようなへそ出し、肌見せが定着。それらの上着としてジャケットも重要なキーとなった。若手ではロック・ファン(Rok Hwang)による「ロク(ROKH)」も自身のシグネチャーであるトレンチコートやジャケットスタイルを軸に大人使用の肌見せをセンスよくまとめていた。

黒から咲き誇る花々までストーリーで魅せた「ドリス ヴァン ノッテン」
植物の美からフォルムを描く「ロエベ」
ウィメンズもパリ復活した「コム デ ギャルソン」
「ドリス ヴァン ノッテン」LOOK6、LOOK52

独自路線のブランドも少なからず存在するのがパリの魅力だろう。「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」は久々にランウェイに復活した。黒でスタートし徐々に色を重ねていき、ラストには咲き誇る花々となる情緒的なコレクションを繰り広げた。一人の女性のあらゆる側面を覗いたようなストーリーを感じるドリスらしいコレクションだ。
「ロエベ」LOOK12、LOOK26

「ロエベ(LOEWE)」は違和感をあえて楽しんだようなフォルムで万物共存を訴えているかのよう。アンスリウムの花からインスパイアされたという。アンスリウムの花自体、どこか人工的で未来的なフォルムであるにもかかわらず、自然の産物なのだが、そうした「何故こんなフォルム?」といったデザインやフォルムが最近の「ロエベ」には多く見られる。新しい形への探究と、多様性への挑戦といったところか。着せ替え人形の紙の服のようなピクセル画像風の服にも注目だ。
「コムデギャルソン」LOOK7、LOOK18

見たことのないフォルムという点ではその先駆的存在が川久保玲による「コム デ ギャルソン(COMME des GARÇONS)だろう。6月のパリメンズに続き、レディスも久々にパリでの発表になった。肩から頭をすっぽり覆うようなフードや、ドレスを上下逆転したようなシルエット、どこかが極端に膨らんでいたり、出っ張っていたり。いつもならそれが社会に対しての怒りや苛立ちからの表出に思えていたのが、花束のような優しさで包みこんだ、ポジティブなシーズンになった。

コムデギャルソングループの「ジュンヤ ワタナベ(JUNYA WATANABE)」、「ノワール ケイ ニノミヤ(NOIR KEI NINOMIYA)」をはじめ、ウィメンズ発表は約3年ぶりになる高橋盾による「アンダーカバー(UNDER COVER)」、パリで初のプレゼンテーションを行った高橋悠介による「CFCL」などが復帰やデビューを果たした。また「イッセイ・ミヤケ(ISSEY MIYAKE)」は8月に逝去した三宅一生氏を偲んだ演出だった。日本勢もそれぞれの向き合い方でパリコレに臨んだシーズンになった。

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