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2023年春夏ミラノコレクション総評

Oct 4, 2022.もりかおりTokyo,JP
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LOOK25とLOOK55 Photo by GUCCI

9月20日から26日にかけてミラノ・ファッション・ウイーク(ミラノ・コレクション)が開催された。コロナ禍による渡航制限も完全に撤廃され、発表ブランドをはじめ、取材陣やゲストも各国から多数集まり、かつての華やぎが戻ってきたシーズンだ。新デザイナーを迎えリニューアルした老舗ブランドもいくつか見られた。

■ファミリーからバトンを引き継いだ「エトロ」&「ミッソーニ」、ブランド名もリニューアルした「フェラガモ」

兄のキーン(Kean Etro)がメンズを、妹のヴェロニカ(Veronica Etro)がウィメンズをと、ファミリーのDNAをデザイン面でもしっかりと受け継い「エトロ(Etro)」だが、クリエイティブ面をマルコ・デ・ヴィンチェンツォ(Marco De Vincebzo)に託した。その背景には昨年LVMH系の投資会社Lキャタルトンに株式の60%を売却し、資本提携を結んだことによる経営の転換でもあるのだが、こうした動きは「ミッソーニ(Missoni)」でも見られ、クリエイティブ・ディレクターを、創業者一族のアンジェラ・ミッソーニ(Angera Missoni)からフィリッポ・グラツィオーリ(Filippo Grazioli)へとバトンタッチした。
LOOK20とLOOK22 Photo by MISSONI
また、「サルヴァトーレ フェラガモ(Sarvaatore Ferragamo)」も今シーズンからマクシミリアン・デイヴィス(Maximilian Davis)がクリエイティブ・ ディレクターに就任。ブランド名も「フェラガモ(Ferragamo)」に変更してリニューアルを図っている。またバリー(Bally)のデザイナーにはロサンゼルスで活躍するストリートブランド「ルード(Rhude))のルイージ・ビラセノール(Rhuigi Villaseñor)が就任。

LOOK17とLOOK37 Photo by ETRO

「エトロ」は早くも期待が膨らむ内容だった。「フェンディ(Fendi))でアクセサリーラインのデザイナーとしてキャリアをスタートさせ、自身のブランドもミラノの中堅どころとして着実にステップアップしているヴィンチェンツォの豊富な経験が生かされたようだ。
Photo by ETRO
「ミッソーニ」のフィリッポは「マルジェラ 」や「ジバンシィ」での経験がどう生かされるのか。未知数の若手にメゾンを託す「フェラガモ」や、今までとは毛色の違うデザイナーで西海岸の風を送り込む「バリー」など、いずれも得意分野が明確にあるブランドだけに、彼らと老舗の化学反応の行方を見守って行きたい。

■双子ファッションで語る「グッチ」/ 飾らない日常と盛るドレスアップの両極を見せた「ボッテガ・ヴェネタ」/ ブレないシンプルを追求した「ジル・サンダー」

「グッチ」のアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)は「多様性」への強いメッセージを送り続けている。セクシャリティの垣根を越え、人種を越え、過去と未来を自在に行き来し、ファッションに落とし込むことで多様性を表現してきたミケーレだが、今回は一卵性双生児を起用した。同じ服を着て、同じヘアメイクをしていても、身長や顔のパーツは微妙に異なる。そこから発せられる空気感も違って当然だ。常に“ニコイチ“として見られてきたであろう彼らにも二つの個性があり、そこにも確かに存在する多様性を浮き彫りにした。

LOOK5とLOOK8 Photo by GUCCI

2シーズン目を迎えたマチュー・ブレイジー(Matthieu Blazy)による「ボッテガ・ヴェネタ」の会心の出来にも注目だ。序盤に登場したチェックシャツにジーンズといったリラックスウエアは、ヌバックレザー仕立てで、卓越したレザーブランドとしての技術が存分に注ぎ込まれている。繊細な装飾とフリンジのインパクト、大胆な柄をのせたドレスなど日常からドレスアップまで多彩でありながら決して散漫になっていないあたりに、彼のデザイン信念を感じる。

ルーシーとルーク・メイヤー(Lucie & Luke Meier)による「ジル・サンダー」は小雨の降る屋外で新作を披露した。ゆったりとしたスーツ、ウエストをくり抜いたセンシュアルなドレス、しなやかな素材使いと、細やかなクラフトワーク。よく見ると複雑で繊細でテクニックが詰まっているのに、色使いや最終的なまとめ方でクリーンなイメージに落とし込んでいる。全てが相まって、傘をさして歩くモデルたちの姿が情緒的で美しい印象を残した。
LOOK11とLOOK17 Photo by JIL SANDER
これらのブランドはデザイナーと良い化学反応を起こし続けているブランドといえるだろう。リニューアルを図っている前述のブランドの今後も楽しみだ。

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