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資生堂がバイオベンチャーに10億円を出資

Jul 12, 2023.上原葉香Tokyo,jp
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資生堂は、バイオベンチャーちとせグループに10億円の出資をし、開発研究を中心とした戦略協業契約を締結すると発表した。具体的な出資方法としては、ちとせグループを統括するCHITOSE BIO EVOLUTION PTE. LTD.(CHITOSE)の株式を買い取る形となる。今年4月にはちとせグループが主導する「MATSURI」への資生堂の参加も発表された。

企業使命に「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD(美の力でより良い世界を)」を掲げる資生堂は今回の出資を通じて、藻類を利用した化粧品原料、化粧品容器にかかる原料の開発、量産化、さらには食品産業における活用も視野に、循環型のモノづくりにより一層力を入れる。藻類は、太陽のエネルギーから多様な有機物を生成することができるため、砂漠や荒地などの農業に向かない土地でも生産可能かつ陸上植物と比較しても生産効率が高い。そのため藻類は、新たな資源として大きな注目を浴びている。資生堂は、藻をうまく活用することで、資源を枯渇させることのない、地球のシステムと一体化した循環型のモデルをちとせグループとともに築き、グローバルな化粧品市場を刷新するサステナブルな価値創造をリードしていくという。

ちとせグループは世界のバイオエコノミーをリードするバイオ企業群で、千年先まで人類が豊かに暮らせる環境を残すことを企業目標に掲げている。多くの国や企業と協力することで経済合理性を成立させながら、ちとせグループの持つ生物の培養、育成技術を社会に展開している。また、ちとせグループは「藻を基盤とした社会」を構築するプロジェクトである「MATSURI」を主導しており、資生堂をはじめ、多くの企業や自治体がこのプロジェクトに参加している。様々な分野のプレイヤーを巻き込み、ちとせグループの藻類産業の構築に関する実績を活かした科学的、論理的でオープンな議論を行うことで、熱狂的でありながらも、目標実現に対し現実的、実践的な事業展開を進める。

資生堂は2030年に向けて「美の力を通じて”人々が幸福を実感できる”サステナブルな社会の実現」を目指しており、「地球環境の負荷軽減」、「サステナブルな製品の開発」、環境や人権に配慮した「サステナブルで責任のある調達の推進」の3つの戦略アクションを実行している。今回の出資と戦略協業契約の締結は資生堂が目指す社会づくり、ものづくりのあり方の実現の一助になるだろう。

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