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アスクルへのサイバー攻撃の余波 「無印良品週間」ネット実施中止で株価も下落

NEWOct 20, 2025.セブツー編集部Tokyo, JP
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良品計画は10月20日、公式オンラインショップ「無印良品ネットストア」の受注および出荷業務を一時停止していると発表した。停止は19日21時から始まっており、再開時期は現時点で未定。原因は、同社の物流業務を委託しているアスクル傘下のASKUL LOGISTがランサムウェア(身代金要求型ウイルス)によるサイバー攻撃を受け、システム障害が発生したことによるものだ。

良品計画のシステムが直接攻撃を受けたわけではないが、アスクルの物流システムが停止した影響で、商品配送の一部が不可能になった。その結果、ネットストア全体の受注・出荷を停止せざるを得ない事態となった。24日から予定していた人気キャンペーン「無印良品週間」は、オンラインでは実施せず、全国の店舗のみで開催することが決まった。

この発表を受けて、良品計画の株価が前日比78円安の3,053円まで下落。下げ幅は2.49%に達した。ネットストアの停止がどの程度業績に影響するかはまだ見通せないものの、短期的には売上への打撃が避けられないとみられる。

ネット販売は、無印良品にとって重要な販売チャネルのひとつ。コロナ禍以降はオンライン需要の高まりを受け、デジタル戦略を強化してきた。今回のような外部要因によるシステム停止は、ブランドの信頼性にも影響を与えかねない。

良品計画は10月10日に発表した2025年8月期の通期決算で、営業収益をはじめすべての利益項目が過去最高を更新したばかり。国内外での出店拡大が奏功し、堅調な業績を維持していた。2026年にはフランス・パリに旗艦店をオープンする計画も進行中で、世界的ブランドとしての存在感をさらに高めようとしていた矢先のトラブルとなった。

近年、企業のサイバー攻撃は自社システムだけでなく、委託先や取引先を狙う「サプライチェーン攻撃」が増加している。今回のアスクルのケースもその一例だ。ランサムウェア被害は業務停止だけでなく、顧客情報や取引データの漏洩リスクも伴う。良品計画は現時点で顧客情報への影響は確認されていないとしているが、サプライチェーン全体でのセキュリティ強化が改めて求められている。

 

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