世界最大のブランディング会社インターブランドの日本法人インターブランドジャパンは年に1回、日本ブランドの価値をさまざまな要素から金額化したランキングを発表しているが、2月24日にその2022年版「Best Japan Brands 2022」が発表された。ちなみにその第1位は14年連続で「トヨタ」だった。また前年94位の「メルカリ」が最高の成長率39%をマークして89位にランクインしたのが今回のハイライトだった。
ファッション・アパレル・化粧品関連のライフスタイル・ブランドでランクインしたのは以下のブランドだ(カッコ内は前年順位)。
6位(6位):「ユニクロ」
17位(17位):「花王」
20位(19位):「資生堂」
21位(18位):「ゼブン-イレブン」
29位(29位):「ユニチャーム」
32位(32位):「MUJI(無印良品)」
56位(48位):「コーセー」
57位(57位):「アシックス」
58位(59位):「ニトリ」
64位(53位):「ローソン」
65位(63位):「ピジョン」
70位(78位):「ワークマン」
76位(67位):「ファミリーマート」
79位(76位):「ブラザー」
82位(81位):「マツモトキヨシ」
85位(74位):「旭化成」
89位(94位):「メルカリ」
90位(89位):「ゾゾタウン」
94位(84位):「ABCマート」
98位(96位):「ポーラ」
99位(ランク外):「カインズ」
「旭化成」(85位)よりも「東レ」(100位以下)の方がどう考えてもブランド価値は上だと思うし、アシックスが57位ならデザントやゴールドウインが100位以内には入りそうな気もするし、ニューフェイスを高評価する傾向があるのでスノーピークスあたりも100位以内には入ってもいいというような個人的見解はある。また落ち目とも言っても「三越」「高島屋」「伊勢丹」「大丸」「阪急百貨店」などが見当たらないのはさすがに寂しい。
ファッション、アパレル、化粧品関連のライフスタイル・ブランドで2021年よりランクを上げたブランドが「ニトリ」(58位)、「ワークマン」(70位)、「メルカリ」(89位)、「カインズ」(99位)の4つしかなかったのはちょっと意外だった。コロナ禍で「オウチ需要」の高まりを受けて存在感を増した「ニトリ」、TVCFでさらに知名度アップし黒字化も達成しリユース&リサイクルというライフスタイルの旗手になった「メルカリ」、「ワークマンプラス」に加えて「#ワークマン女子」を発信し好調続く「ワークマン」、東急ハンズ買収とやはりコロナ禍の「オウチ需要」の恩恵があった「カインズ」の4ブランドについては、それぞれ理由がはっきりしているとは思う。
しかし、21ブランドもあってブランド価値を1年間で上げたのがたった4つしかないというのは少なすぎないか?この分野はコロナ禍の時代にはブランド価値が増大しないということなのか?あるいはすでにファッション・アパレル・化粧品関連のライフスタイル・ブランドというものが時代遅れの「オワコン」になってしまったということなのか?いろいろと考えさせられる結果ではある。