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まさに不景気の株高!IT大手のリストラ連鎖と米国株高の不思議

Nov 22, 2022.三浦彰Tokyo,JP
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写真:イーロン・マスク公式ツイッターから

米国IT業界の人員削減(リストラ)のニュースが続いている。電気自動車王イーロン・マスクに買収されたツイッター社は「激務(長時間労働)か退職か」(マスク)と選択をつきつけられて、2021年末に約7500人だったツイッター社員のうち3000人以上が解雇されたと見られている。あのツイッター社がマスクによれば「ツイッター社は1日400万ドル=5億8000万円(1ドル=145円換算)の赤字を出している」という。しかし世界のSNSを牛耳っていると言われるツイッター社が年間約2117億円の赤字というのも実に意外である。

さらにツイッターに続いて大量解雇を発表したのがメタ(旧フェイスブック)だ。1万1000人の人員削減だ。創業者のマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者は「パンデミック後も成長が続くと予測し投資を増加したが失敗した」と発言。さらにライドシェア大手のリフト、オンライン決済のストライプ社も人員削減を発表。

そして、11月16日にはインターネット通販大手のアマゾン・ドット・コムが人員削減を正式発表。削減数は明らかにしていないものの、デバイス・サービス部門を中心に1万人程度の規模と見られている。景気減速が鮮明で、将来を見越したチームおよびプログラムの統合を決定。それに伴う人員体制の合理化が必要と判断したという。

ツイッター、メタ、アマゾンと言ってみればアメリカのIT業界の中核を担うような企業のリストラが衝撃的だ。これが、日本ならば労働争議や裁判が起きそうなレベルの水準だ。根底にあるのは、米国の景気減速だ。コロナ禍による巣ごもり消費で潤って来たIT企業にブレーキがかかっているようだ。

一方、株式についてみるとニューヨークダウ平均株価は9月30日(金)に3万ドルを大きく割り込む2万8725ドル51セントを記録して、ついにパンデミック本格化の兆しを見せた2020年3月20日の1万9173ドル98セントから実に1年半に及ぶパンデミック上昇相場に終わりが来たのかと思われたが、その後10月、11月で一気に3万3000ドル台まで駆け上がっている。景気減速が鮮明になり、先述したように米国景気を支えてきた大手IT企業が大幅なリストラを行なっているのにこの株上昇はなぜなのか?

インフレ対策のために政策金利をあげようとしていたFRB(米国連邦準備委員会)が、現在の景気減速の微候を見て、金利上げのスピードを見直すのではないかという楽観的観測が支配的だという意見が一部にある。なんとも都合のいい話だが、現在の株式市場では、景気や企業業績よりもFRBの金利の上げ下げの方が重要なファクターになっているということだ。あまり正常ではない相場という言い方ができるかもしれない。かなりバブっているのだ。「上がるから買う。買うから上がる」という相場だ!積み木くずしみたいに、ある日一気に崩れてしまう。そういう相場に私には見える。不景気の株高とはそういうものであるが。

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