
ジュエリーの小売・製造を手掛けるフェスタリアホールディングス(以下、フェスタリアHD)は10月14日、2025年8月期の通期決算を発表した。売上高は94億300万円(前年比1.0%増)、営業利益は2億8900万円(同7.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1億7600万円(同26.9%増)と増収増益だった。連結子会社のサダマツが第3四半期に5645万円の補助金を営業外収益として計上し、増益に寄与している。
国内事業では、2025年3月以降、インバウンド需要が大幅に減少したものの、Eコマースの売上高が前年同期比30.8%増と大きく伸長したことや、ブライダル向けジュエリーの成約率向上が売上を支えた。オンライン販売の拡大は、インバウンド需要の減少を補う形となり、デジタルチャネルの重要性が一段と高まっている。
海外事業では、台湾の事業拡大が目立った。3月に台北市の「三井ショッピングパーク ららぽーと台北南港」に、台湾9店舗目となる新規店舗を開業。これにより、台湾子会社は増収増益を確保し、現地市場でのブランド浸透が進んだことを示した。アジア市場への戦略的展開が、海外売上の底上げにつながっている。
製造面では、生産拠点であるベトナムが順調だ。製造コストの低減を図りながら、今後の事業拡大を見据えた設備投資や人材確保など、戦略的投資も視野に入れており、生産効率の向上とコスト管理の両立が進んでいる。これにより、国内外での需要変動にも柔軟に対応可能な体制が整いつつある。
フェスタリアHDの2026年8月期の連結業績予想は、売上高は101億円(前年比7.4%増)、営業利益は3億3000万円(同14.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1億6000万円(同9.3%減)としている。