・営業利益:−4億5300万円
・経常利益:−5億9300万円
・親会社に帰属する当期純利益:−5億7100万円
赤字幅は2021年6月期に比べて小さくなったが、3期連続の赤字決算である。
このままでは浮かび上がれないとの判断がアイスタイル内にはあったのかもしれない。そこで浮上したのが今回のアマゾン、三井物産との資本業務提携である。183億円の資金を(転換社債での割り当てはすべて株式に転換される予定だ)得たが、そのうちの60億円は運転資金確保のために金融機関からの借り入れていた長期借入金の一括返済(10月期限)にあてられるなど、経営的にもかなり追い込まれている印象がある。2023年6月期の「黒字化は絶対」ということになりそうだ。今回のアマゾン・三井物産との資本業務提携も両手を挙げて歓迎ということでは決してないようだ。なお9月26日付けで現プラットフォーム事業セグメント長の遠藤宗(はじめ)氏(1973年生まれ)が代表取締役社長兼COOに就任する。創業者の吉松徹郎社長は代表権のある会長兼CEOに就く。アイスタイルの不退転の決意の表れとも受け取れる。
なお前述した2018年3月16日には1799円という最高値を記録したアイスタイルの株価だが、今年5月12日には147円という史上最高値の10分の1以下の水準にまで落ち込んでいた。それでもなぜか今回の資本業務提携を予感するようにその147円を底にしてこの3カ月で倍の305円(8月12日)の株価になっていた。さらにこの資本業務提携が8月15日に発表されると、翌日の8月16日には大量の買い注文が入ってストップ高(前日の終値293円の80円高の373円)でも値段がつかない加熱状況になっている。
果たしてアイスタイルは2023年6月期黒字を達成できるのか、注目の一年である。これが未達だと、アマゾンからの役員派遣などが当然のことながら今後浮上してくることもあるのではないだろうか。