
アイウェアブランド「ジンズ(JINS)」を展開するジンズホールディングス(以下、ジンズHD)の株価が続伸している。9月8日の終値は前日比770円高の9,610円と大幅に上昇し、年初来高値を更新した。株価は8月29日の7,970円から1,600円以上上昇しており、6日連続の上昇となった。背景には、8月の月次売上速報において既存店売上高が前年同月比17.0%増と好調で、31カ月連続で前年実績を上回ったことが投資家の期待を集めていることがある。
ジンズHDは、2025年8月期の連結業績予想を売上高925億3200万円(前年比11.5%増)、営業利益108億500万円(同37.9%増)、純利益72億500万円(同54.2%増)としている。これは2024年8月期に記録した過去最高業績をさらに更新する見込みで、売上高は前期比で100億円以上の上積みとなる。店舗網の拡大や海外展開の強化に加え、オンライン販売の伸長も追い風となっている。
業績と株価が好調ななかで、ジンズHDは経営体制の刷新にも踏み切る。11月27日に予定されている株主総会と取締役会を経て、現副社長COOの田中亮氏が代表取締役社長COOに就任する見通しだ。創業者で現社長の田中仁氏は代表取締役会長CEOへとポジションを移し、次世代経営陣にバトンを渡す。田中仁氏は創業以来、低価格かつ高品質なメガネを提供するビジネスモデルで市場を牽引してきた人物。今回の交代は、経営の若返りと持続的成長を両立する狙いがあるとみられる。