
高級ブランドバッグのサブスクリプション型シェアリングサービス「ラクサス(Laxus)」を展開するラクサス・テクノロジーズが8月8日に発表した2026年3月期の第1四半期決算は、契約数の減少が響き、大幅な減収減益となった。
売上高は5億6500万円で前年同期比13.0%減。営業利益は4600万円と同75.4%減、四半期純利益は3900万円で同76.5%減だった。契約数は約1万7000件と、前年度末に比べ12.4%減少している。
同社は「グッチ(GUCCI)」「エルメス(HERMES)」「ロエベ(LOEWE)」など、海外の人気ブランドバッグを月額定額制で貸し出すサービスを提供。2015年のサービス開始から今年で10周年を迎え、これまでに蓄積したブランドバッグの保有資産は日本最大級の規模となっている。2024年12月には東証グロース市場に上場し、事業拡大に向けた資金調達を行った。
足元の業績低迷を打開するため、新たな施策にも着手している。そのひとつが「買えちゃうラクサス」だ。利用中のバッグが気に入れば、そのまま購入できる仕組みで、サブスクと販売を組み合わせたハイブリッドモデルとして収益拡大を狙う。今年6月には東京・表参道のキャットストリートに直営販売店「ラクサス神宮前店」をオープンし、オンラインとリアル店舗の融合を進めている。
さらに、百貨店大手の大丸松坂屋百貨店が展開するファッションサブスク「アナザーアドレス(AnotherADdress)」など4社と提携。互いの顧客基盤やブランド在庫を活用し、利用者の裾野拡大を目指す。今回の業務提携により、契約数の減少傾向を食い止め、再び成長軌道に乗せたい考えだ。
2026年3月期の通期業績予想は、売上高30億7700万円(前年比20.0%増)と大幅な増収を見込む一方で、営業利益は4億4800万円(同24.0%減)、当期純利益は3億3500万円(同23.1%減)と、利益面では厳しい予想を据え置いた。
業界では近年、ブランド品のリセール市場やレンタルサービスが急拡大しており、競合も増加している。消費者の間では「所有」よりも「利用」に価値を置くライフスタイルが浸透しつつあるが、同時に毎月定額を支払うことに対するサブスク疲れや価格感度の高まりといった課題も顕在化している。