年の瀬も押し迫った2019年12月12日に、奇しくもサマンサタバサジャパンリミテッドの新社長と大塚家具のヤマダ電機子会社化の発表があった。両社とも、まさに崖っ淵に立っていただけに、満足のいく結果ではなかったにせよ、買われた方の経営陣はホッと胸をなでおろしているのではないだろうか。
出金は40億円(ヤマダ電機)と33億円(コナカ)という両社にとっては、ある意味でお買い得ではあるが、問題は再建できるかどうかだ。再建の難易度は、両社ともかなり高いと言わざるを得ない。特に大塚家具の場合は、父娘のケンカ別れが原因で現在の苦境に陥っているわけで、「大塚家具」というブランドの棄損は著しく、今後はヤマダ電機の住宅部門を担う企業として変貌していくのではないかと予想される。ヤマダ電機が現在最も注力しているのが住宅部門で、それを担う企業として、大塚家具を考えているように思われる。
一方、サマンサタバサジャパンリミテッドについては、これはブランドとしての再生を考えているように思われる。しかし、すでに「サマンサタバサ(Samantha Thavasa)」というブランドも昔日のような輝きはないのが事情で、リブランディングに近い荒療治が必要だと思われる。どんな方策が、門田剛(もんでんつよし)新社長から提案されるのかがポイントになろう。