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「ラブブ」人気は一過性だったのか?ポップマート株が3週間で4分の1吹き飛ぶ衝撃

NEWSep 17, 2025.高村 学Tokyo, JP
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撮影:セブツー

中国発のトイメーカー、ポップマート(Pop Mart)の株価が下落基調を強めている。香港証券取引所に上場する同社株は、9月12日時点で277.6香港ドルをつけていたが、週明けの15日には252.0香港ドルまで下落。さらに16日も続落し、256.4香港ドルと軟調な推移となった。8月26日に記録した過去最高値の339.8香港ドルからおよそ3週間で24.5%の下落となり、急成長ブランドに対する投資家の期待感に陰りが見えている。

ポップマートは2010年に中国・北京で創業し、ブラインドボックス型フィギュアを武器に急成長を遂げた企業だ。2020年には香港証券取引所に上場し、中国国内のみならず海外市場へも積極展開している。現在は30を超える国と地域に進出し、直営店は世界で500店舗以上を数える。日本でも東京・原宿や渋谷、大阪など主要都市に11店舗を構え、観光客を中心に高い人気を集めている。

その成長を牽引するのが、ポップマートが手がける人気シリーズ「ザ・モンスター(The Monsters)」のキャラクター、「ラブブ(LABUBU)」だ。大きな目とユニークな造形が特徴のこのキャラクターは、韓国の人気ガールズグループBLACKPINKのメンバー、リサが自身のインスタグラムに投稿したことで一気に世界的な注目を集めた。以降、中国や日本をはじめとするアジア各国でファン層が拡大し、店舗前には長蛇の列ができるほどの熱狂を呼んでいる。

「ザ・モンスター」シリーズには、「ジモモ(Zimomo)」など他のキャラクターも存在するが、圧倒的な人気を誇るのは「ラブブ」だ。特に東京・原宿の旗艦店では、訪日外国人観光客を中心にフィギュアを求める行列が日常的に発生しており、同ブランドの国際的な知名度を裏付けている。SNSを通じて世界中に拡散されるポップマートのキャラクターは、単なる玩具を超えてカルチャーアイコンとしての地位を築きつつある。

一方で、株価の下落は同社の将来戦略に課題があることを映し出している。急拡大によってブランドの知名度は高まったが、消費者の嗜好変化は激しい。流行に左右されやすいビジネスモデルゆえに、ポップマートにとっては継続的な新シリーズ投入とブランド体験の強化が欠かせない。特に日本や韓国など、キャラクター文化が根付いた市場では競合ブランドも多く、差別化が求められる。

株価の急落は短期的な調整とも見られるが、グローバル展開を視野に入れる同社にとっては今後の成長戦略が正念場を迎えている。「ラブブ」人気が一過性で終わるのか、それとも長期的なブランド資産として定着するのか。投資家とファンの双方が注目するなか、ポップマートの次なる一手が問われている。

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