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高級百貨店でも逃れられず サックス破綻はラグジュアリー流通の転換点か

NEWJan 15, 2026.セブツー編集部Tokyo, JP
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米国の高級百貨店「サックス・フィフス・アベニュー(Saks Fifth Avenue)」などを運営するサックス・グローバル・ホールディングスは1月14日、日本の民事再生法に相当する米連邦破産法第11条(チャプター11)の適用を申請したと発表した。店舗運営は継続しながら、財務再建を進める。

同社は2024年、高級百貨店「ニーマン・マーカス(Neiman Marcus)」を展開するニーマン・マーカス・グループとの経営統合により発足した。米国を代表する高級百貨店同士の再編として注目を集め、百貨店業界の再構築に一定の道筋がついたと見られていた。

しかし、その統合の中核を担ったニーマン・マーカス・グループは、すでに2020年5月に一度チャプター11の適用を申請し、経営破綻を経験している。ネット通販の台頭による集客力の低下に加え、新型コロナウイルス感染拡大による長期休業が追い打ちとなり、破綻前の2年間で最終赤字は1988万ドル(約21億円、2020年3月26日当時のレートで換算)、3118万ドル(約34億円)と赤字が続いていた。

一方、今回のチャプター11申請は、ラグジュアリーブランドにとって百貨店チャネルの位置づけが大きく変わりつつある現実を浮き彫りにしている。近年、主要ラグジュアリーブランドは、百貨店内での売り場拡張や改装を進める一方で、百貨店を主戦場ではなく選別された接点として位置づける動きを強めている。百貨店側にとっては、ブランドの選別と条件交渉がこれまで以上に厳しくなる局面だ。

ニューヨークのランドマーク的存在である「バーグドルフ・グッドマン(Bergdorf Goodman)」もグループ傘下にあるが、こうした象徴的店舗であっても、集客力と収益性の両立が以前ほど容易ではなくなっている。高級消費の中心が、店舗体験よりもブランド直営ECや限定イベント、顧客コミュニティへと分散しているためだ。

百貨店同士の再編という延命策が限界を迎えつつある中で、今回の破綻劇はラグジュアリーブランドと百貨店の力関係がどこまで変わったのかを測る試金石ともなりそうだ。サックス・グローバル・ホールディングスは今後、店舗運営を継続しながら財務体質の改善と事業再建を急ぐ。

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