
「ラブレス(LOVELESS)」や「エポカ(EPOCA)」などのブランドを展開する三陽商会は10月6日、2026年2月期の中間期決算を発表した。売上高は270億4200万円で前年同期比3.1%減となり、営業利益は2億1300万円の赤字(前年は5億9900万円の黒字)、親会社株主に帰属する中間純利益も2億9900万円の赤字(前年は4億5700万円の黒字)と、いずれも赤字に転落した。
業績の内訳を見ると、8月は盛夏向けのプロパー商品を積極投入したことが奏功し、前年同月比10%増とプラスに転じたものの、3月から7月までは前年割れが続いた。特に主力の販路である百貨店での売上が低調で、さらに春先の低気温による春夏商品の本格稼働の遅れも響いた。アウトレットやセール販売は概ね順調に推移したが、百貨店依存の構造が足かせとなった形だ。
三陽商会はの2026年2月期通期の連結業績予想は、売上高は599億円(前年比1.0%減)、営業利益は23億円(同15.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は41億円(同2.3%増)を見込む。中間期の赤字からは持ち直す見通しとしているが、百貨店依存からの脱却やプロパー商品の立ち上がりの遅れなど、課題は残る。
成長戦略として、三陽商会は2021年3月に日本国内での商標権を取得した「ポール・スチュアート(Paul Stuart)」を含む、基幹7事業の売上高をそれぞれ100億円規模に引き上げる体制作りを進めている。既存ブランドの収益改善と新規ブランドの拡大を両輪とし、安定した成長基盤の確立を目指す方針だ。