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Japan|「サステナブル」って何?

Dec 20, 2019.橋本雅彦Tokyo, JP
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今年のファッション業界を漢字で表すと「閉店」ということになるのだろうが、カタカナでは「サステナブル」ということになるだろう。例えば、日刊業界紙の『繊研新聞』で「サステナブル」を見かけない日は珍しく、これは週刊紙『WWDジャパン』でもほぼ同様である。「サステナブル」と「サステイナブル」が両用されているが、持続可能な成長という意味である。地球の未来を考えて、「商品を生産し、販売し、消費しましょう」ということで、誰もこの呼びかけに反対するものはいないだろう。

この「サステナブル絶対」の流れの中で、反対はしないが内心「疑問」を抱いている者は少なからずいるのではないだろうか。「年々新しいものを提案して古いものを捨てさせるのがファッション消費の根底にあるのだから、大事に使いましょうとか無駄をなくしましょうという原理原則を実際のビジネスと矛盾なく両立させることは不可能では?」というA氏の意見を実際に聞いたことはある。たしかにA氏の意見はもっともである。現在4回とか6回の発表になっているラグジュアリーブランドのプレタポルテが4回も6回も必要なのかという意見はもっともだが、サステナブルに2回にするなんてことは今では難しいだろう。

絶対に反対されることのない大原則だから、企業やブランドは「我々はサステナブルな存在」であることをアピールする。いや、正確には「どうやったら我々がサステナブルな存在であることを消費者に伝えることができるだろうか」というサステナブル競争の様相を呈しているのが実状ではないだろうか。このサステナブル競争が過熱化してこないことを祈りたいものである。「サステナブル」とは「できる範囲ではあるがサステナブルにやらさせていただきます」ということであって、「こんなに我々はサステナブルなんですから、我々を支持しないのはおかしいですよ」ではないはず。

しかし、冷静に見て「サステナブル」をメインテーマにしているブランドがなんと多いことか、それほど独自性やトレンドが生み出しづらくなっているということなのだろうと思う。もちろん、「サステナブル」はブランドを差別化するための手段でもなければそれが目的でもない。このあたりをきちんと明確にしないとただの「サステナブル・ブーム」になってしまうような気がしている。

「サステナブル」というのは態度であり基本姿勢であり原則であるということを肝に命じたいものである。

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