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TSIホールディングスが攻めのM&Aで今期2000億円へ 「テーラー東洋」を傘下にアメカジ拡大

NEWApr 11, 2026.セブツー編集部Tokyo, JP
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アパレル大手のTSIホールディングス(以下、TSI HD)は4月10日、2026年2月期の通期連結決算を発表した。売上高は1670億8500万円(前年比6.7%増)、営業利益は43億2500万円(同164.4%増)と大幅な増益を達成した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益は37億9300万円(同75.1%減)と大きく落ち込んだ。

同社はアパレル事業を軸にしながら、外部ブランドの取り込みによる規模拡大を加速させている。2025年7月には「フリークス ストア(FREAK’S STORE)」を展開するデイトナ・インターナショナルを約283億円で完全子会社化。若年層に強い支持を持つ同ブランドを取り込むことで、商品ラインアップと顧客層の拡張を図った。さらに、傘ブランド「ウォーターフロント(Waterfront)」も傘下に収めるなど、非アパレル領域への広がりも見せている。

加えて同日、スカジャンやミリタリーウェアで知られる東洋エンタープライズとレイラニトレーディングの子会社化も発表した。「テーラー東洋(Tailor Toyo)」などのブランドを擁し、ヴィンテージ市場で高い評価を持つ同社を取り込むことで、「アヴィレックス(AVIREX)」や「アルファ・インダストリーズ(Alpha Industries)」といった既存ブランドとのシナジーを狙う。アメカジ・ミリタリー領域でのポジション強化を進める戦略だ。東洋エンタープライズは売上高44億5500万円(前年比19.6%増)、営業利益9億4600万円(同33.4%増)、純利益7億1800万円(同34.7%増)と高い収益性を維持しており、今後の利益貢献への期待も大きい。

また、株主還元策として自己株式の取得も発表した。発行済み株式総数(自己株式を除く)の5.58%にあたる330万株を上限とするもので、市場へのメッセージ性も強い。一部については、一般財団法人TSIファッション未来財団の設立に伴い、第三者割当による処分を行う予定で、単なる株主還元にとどまらず、将来投資の側面も併せ持つ施策となる。

同社は同日、2027年2月期の通期連結業績予想も発表。売上高は2000億円(前年比19.7%増)、営業利益は75億円(同73.4%増)、純利益は77億円(同103.0%増)と、大幅な回復を見込む。これまでのM&Aによる先行投資が一巡し、収益回収フェーズへと移行する見通しだ。

足元では利益のブレが目立つものの、ブランドポートフォリオの拡充と市場シェア拡大は着実に進んでいる。TSI HDは、規模拡大と収益性のバランスをどう最適化していくかという次の局面に入っており、その戦略の実効性が今後の評価を左右することになりそうだ。

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