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高輪ゲートウェイに新しい街が誕生 建築家・隈研吾が手掛けたエリアも

May 17, 2023.岩見光Tokyo,JP
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JR東日本は5月16日、2025年度の完成を目指して高輪ゲートウェイ駅前(東京・港区)で進めている再開発事業について、街の名称を「高輪ゲートウェイシティ(TAKANAWA GATEWAY CITY)」に決定したと発表した。コンセプトは、新たな文化・ビジネスが生まれ続ける国際交流拠点、「Global Gateway」。​​明治初期に国内初の鉄道が開業した地であることなどを踏まえ、街を「未来への実験場」と位置付けている。

高輪ゲートウェイ駅は、付近の敷地を6つの区域に分け、高層ビルを核としたまちづくりを計画し、東京オリンピックにあわせて2020年3月に開業した。しかし、開業した2020年3月は新型コロナウイルスの感染拡大が続いていた時期で、開業記念式典は中止され、関連イベントも延期されたため人々の注目はそこまで集まらなかった。

「高輪ゲートウェイシティ」は、複合棟Ⅰ、複合棟Ⅱ、文化創造棟、住宅棟の4つの棟(4街区)で構成され、複合棟Ⅰおよび高輪ゲートウェイ駅周辺エリアを2024年度末、その他の棟および各棟周辺エリアを2025年度中に開業する。東京国際空港へのアクセスが良好な立地を活かして、地域の歴史を継承しつつ世界に新たなイノベーションを発信する場を目指す。

複合棟Ⅰは北(Nouth)と南(South)のエリアの2層に分かれており、北エリアは地上29階、南エリアは地上30階の造り。ホテル、オフィス、商業、コンベンション、カンファレンス、子育支援施設、ビジネス支援施設、駐車場等の用途で利用される。また、複合棟Ⅰ(South)の22~30階をホテル用途として、マリオット・インターナショナルの首都圏初となるホテルブランド「JW マリオット」をオープンする。複合棟Ⅱ(地上31階)は、オフィス、商業、クリニック、子育支援施設、エネルギーセンター(地域冷暖房)、駐車場等の用途を想定している。文化創造棟の外装デザインは、高輪ゲートウェイ駅の設計も務めた隈研吾が担当し、緑と木で形成したスパイラルによって建物全体で日本の四季を表現。約1200席のライブホールや展示室、オルタナティブスペース、畳空間、足湯と水盤のある屋上庭園などを用意する。また、同棟におけるプログラムを企画・運営するための組織として、今年4月1日に一般財団法人 JR 東日本文化創造財団を設立した。

さらに、南北約1キロ以上にわたって、東海道五十三次にちなんだ広場「53 Playable Park」を整備。環境保全をテーマにしたビオトープや、現場から発掘された明治時代の鉄道遺構「高輪築堤」を見学できるエリアを設ける。高輪ゲートウェイ駅の南側(品川方)には公園に繋がる新たな改札口を設けるという。延床総面積は約84.5万平方メートルで、JR東日本史上最大規模のまちづくりとなる。

本再開発の共創パートナーであるKDDIは、東京・飯田橋にある本社を2025年春に高輪ゲートウェイに移転すると発表した。移転後は、複合棟Ⅰ(Nouth)の9〜27階を使用する予定だ。また、KDDIは、街の中に存在するデータを収集・分析する基盤「都市OS」や、蓄積したデータをもとにして現実の環境を仮想空間上に再現する技術「デジタルツイン」を導入する。鉄道データや商業データ、ロボットなどを活用して新たなサービスを開発し、将来的には人口減少や環境問題などの社会課題解決に活かすとしている。JR東日本と共同でスマートシティの構築を目指す。

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