
米国のタペストリー(Tapestry, Inc.)が中間決算で力強い成長を見せた。主力ブランド「コーチ(COACH)」の好調がグループ全体を牽引し、収益性も拡大、株式市場でもポジティブな評価が広がり、株価は急騰した。一方で「ケイト・スペード(Kate Spade)」は減収となり、ブランド間の明暗が分かれる結果となった。
「コーチ」や「ケイト・スペード」を擁するタペストリーは2月5日、2026年6月期の中間決算を発表した。売上高は25億240万ドル(約3928億円*、前年同期比14%増)、営業利益は7億1640万ドル(約1124億円、同45%増)、中間純利益は5億6100万ドル(約880億円、同81.0%増)と大幅な増益を達成。為替影響を除いた比較可能ベースでも売上高は14%増と、実質的な成長が続いている。ラグジュアリー市場が選別局面に入るなかでも、商品力とブランド戦略の成果が数字に表れた格好だ。
最大の牽引役は「コーチ」だ。売上高は21億4240万ドル(約3363億円、前年同期比25%増)と二桁の増収を記録。ハンドバッグの平均小売単価と販売数量がそれぞれ10%台半ばの伸びとなり、価格と数量の両輪で売上を押し上げた。なかでもアイコンバッグの「タビー(Tabby)」、新定番モデルの「ブルックリン(Brooklyn)」などが市場で存在感を強め、ブランドの成長ストーリーを支えている。Z世代の新規顧客を約120万人獲得したことも追い風となり、既存顧客の購買拡大と合わせて幅広い層から支持を集めた。
一方で「ケイト・スペード」の売上高は3億4310万ドル(約538億円、同14%減)と二桁の減収。ブランド再構築の途上にあり、グループ内でのパフォーマンス格差が鮮明になった。今後は商品戦略やブランドポジションの再定義が収益回復の鍵を握りそうだ。
株式市場の反応は敏感だった。タペストリーの株価は決算発表当日、前日比で10.21%上昇し急騰。2025年を通じても株価は大きく伸びており、同年1月2日の終値65.63ドルから12月31日には127.77ドルまで上昇、年間上昇率は94.7%とほぼ2倍に達した。市場は「コーチ」を中心とした成長力と収益性の改善を高く評価している。
ラグジュアリー市場が二極化するなか、タペストリーはヒット商品と顧客基盤の拡大を武器に、成長軌道を維持した。ブランドポートフォリオの再構築が進めば、グループ全体の収益性はさらに高まる可能性がある。
※1ドル=157円換算(2月6日時点)







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