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TENTIALはなぜ過去最高益を出せたのか 内製化が支えた急成長の裏側

NEWOct 16, 2025.セブツー編集部Tokyo, JP
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リカバリーウェアブランド「テンシャル(TENTIAL)」や「バクネ(BAKUNE)」を展開するTENTIALは10月15日、2025年8月期の通期決算を発表した。今期は決算期変更に伴い、2月から8月までの7カ月決算となる。売上高は111億3400万円、営業利益は11億6700万円、当期純利益は8億1700万円。12カ月で換算した場合、売上高は149.0%増、営業利益は248.3%増、当期純利益は179.8%増を達成し、売上高、すべての利益が過去最高を更新した。営業利益は約2.5倍となり、リカバリーウェアという新たな市場カテゴリーを開拓し、ブランド力と商品力を背景に急速にシェアを拡大している。

業績好調を受け、TENTIALは同日、新たな株主優待制度の導入も発表した。対象は1単元(100株)以上を6カ月以上継続保有している株主で、保有株数と期間に応じて、公式オンラインストアや直営店舗で利用できるマイルを付与する。付与マイルは最大で12,000マイルとなり、実質的な株主還元策として注目される。

TENTIALの強みは、倉庫・物流を除くすべての工程を自社内で完結させている点にある。商品企画から開発、公式オンラインストアの開発・運営に至るまでを内製化し、効率的なバリューチェーンを形成。中間コストを抑えながら利益率を最大化している。こうした高収益構造が広告投資の余力を生み出しており、ブランド価値向上にもつながっている。2025年8月期は売上高の26.5%を広告宣伝費として投資したが、今期は前期比2.1%増額し、さらなるブランド認知拡大を狙う。リカバリー関連市場の拡大という追い風だけではなく、自社完結型のバリューチェーンが過去最高益に繋がったようだ。

TENTIALによると、リカバリー関連市場は2030年に14兆2000億円規模に達する見込みで、2023年比で約2.6倍に成長するという。健康志向の高まりやアスリート需要の拡大、睡眠改善への関心上昇などが背景にあり、今後も市場の拡大が続くと見られている。同社はこうした市場成長を見据え、データに基づいた機能性商品の開発を強化する方針だ。科学的根拠に裏付けられた製品づくりを推進し、「着るだけで整う」リカバリーウェアのポジションを強化する。

TENTIALが発表した2026年8月期の業績予想では、売上高280億4600万円、営業利益30億2000万円、当期純利益20億5400万円を見込んでおり、成長スピードはさらに加速する見通しだ。「リカバリー」という新たな健康価値を社会に浸透させたTENTIAL。市場の拡大とともに、株主還元策やブランド投資を両立させながら、さらにプレゼンスを高めていく構えだ。

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