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フリージア・マクロスの買収に東京ソワールが防衛策発表!!

Jun 17, 2021.三浦彰Tokyo, JP
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東京ソワール本社が入居する南青山の新青山ビル

ラピーヌ(東証2部上場)の実質的な経営支配を同社発行済株式36.72%取得で完了したフリージア・マクロス(東証2部上場/産業機器製造メーカー)が次のターゲットにしているのが東京ソワール(東証2部上場)であるのは既報した。

フリージア・マクロスが6月3日に関東財務局に提出した東京ソワール株大量保有報告書(5.95%保有。一連の大量保有報告書の最初のもの)には、保有目的欄に「当社(フリージア・マクロス)の持分法適用関連会社化及び資本業務提携の交渉力強化を目的として保有しております」と明記されている。どういうことかというと、持分適用会社として連結決算の対象になるには、その会社の発行済総株式数の20%を持つことが必要になる。フリージア・マクロスは東京ソワールの株式を最低20%までは買い増しする意志表明とも受けとれる。

ちなみに株集めの次の目安というのはその3分の一以上にあたる33.4%ということになる。この株式比率だと株主総会にかけられる特別決議(定款変更、 取締役・監査役の解任、 会社・合併、 事業譲渡、資本の減少等)に対する否決権を有する。これがさらに50.1%以上になると株主総会の普通決議(取締役の選任 ・ 解任、 取締役の報酬決定、 配当などの利益処分 の決定)が可能になる。3分の2の66.7%以上なら特別決議が可能になるというわけである。

フリージア・マクロスによるラピーヌの実質的な経営支配は持株比率33.4%で完了したが、これはラピーヌサイドがさしたる買収防衛策を行わずに、 フリージア・マクロスペースでナシ砕しに経営支配を許してしまったためだ。こうした前例を参考にしたのか、東京ソワールは6月16日に買収防衛策を含めた株主への提案を小林義和取締役上席執行役員管理本部長の名前で発表している。長文の提案書なので、ポイントを抜き出すと以下のようになる。

1. 資本業務提携に関する考えを伺いたく要望を連絡したものの、その考えを聞かせていただいていない。

2. 今年4月1日にラピーヌの青山康弘取締役会長(前社長)と当社村越眞二会長が面談の機会を得て、青井会長からラピーヌと当社の業務提携に関する初歩的な打診を受けた。青井会長は佐々木ベジ社長からの指示を受けて当社会長に打診するに至ったという。 これに対して当社は積極的な業務提携を考えることは難しいという感触を持った。

3. 大規模買収行為が、当社の企業価値ないし株主の利益が最大化されることを確保するため、その是非を株主の皆様に適切に判断していただくための必要かつ十分な情報提供を相手先に要求する他、適切な情報開示と措置を講じていく。

こうした基本姿勢のもとに、東京ソワールはフリージア・マクロスの事前通告なしの株集めやその後の度重なる「沈黙」などから、当社の企業価値をや株主の利益の最大化を妨げるようなものである「おそれ」は否定できないと考えているとしている。

さて東京ソワールの対抗措置(買収防衛策)は、まず取締役会による恣意的な判断を防止し、対抗措置の公正性・客観性を高めるために独立委員会(現在社外取締役の石井銀二氏、岡本雅弘氏、瀧村竜介氏の3氏)を設けたことだ。そしてこれが決め手であるが新株予約権の無償割り当て制度の新設である。これは、非適格者は行使することができない条件付きのもの。非適格者とは特定株主グループに属する大規模買付者などを指す。この新株予約権の行使によって、大規模買付者の持ち株比率を下げることができる仕組みだ。いわゆる希釈化である。この防衛策を発動するかしないかは株主価値最大化の原則をもとにして独立委員会が取締役会に勧告し、株主総会で決定される。

この防衛策の決め手である新株予約権付無償割り当てが可能かどうかは、6月30日の保有株式を基準にして7月下旬から8月中旬を目途に開催される臨時株主総会で、その可否が決定されることになっている。

現在フリージア・マクロスは東京ソワールの他に電子部品販売の日邦産業(名古屋証券取引所第2部上場)に対するTOB(株式公開買い付け)を行なっているが、日邦産業がこのTOBに反対して株主への新株予約権の無償割り当てを今年3月末を基準日にして行なうと発表。フリージア・マクロスはこの措置を無効として名古屋地方裁判所に訴えていた。3月24日に同裁判所は新株予約権無償割り当ての仮差し止めを決定。しかしその後日邦産業の不服申し立てが認められている。さらにその後フリージア・マクロスは名古屋高裁に保全抗告を行ったが棄却。現在は最高裁に特別抗告を行っている。さらに6月24日に行われる日邦産業の定時株主総会に向けて、フリージア・マクロスは、日邦産業側の新株予約権発行を無効とする株主委任状集めを行っている。いわゆる株主委任状争奪戦(ピロクシーファイト)である。

今回の東京ソワールの防衛策は日邦産業の防衛策と似ている。このため最高裁の判断とともに、6月24日の日邦産業定時株主総会で新株予約権発行に対する株主の判断も大いに注目されているのだ。

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