赤字転落のUUUMに対して最大97億円でフリークアウトHDがTOBを実施

広告・マーケティング事業や投資事業を手掛けるフリークアウト・ホールディングス（以下、フリークアウトHD）は８月10日、東証グロース上場で日本最大のYouTuberサポート企業のUUUM（ウーム）に対し、TOB（株式公開買い付け）を実施すると発表した。UUUMの発行済み株式の65％を上限に、最大で97億円を投じて連結子会社化する。

フリークアウトHDは2010年10月に創業し、創業者の本田謙、伊藤忠商事などが主要株主。フリークアウトHDが同日発表した2023年９月期の第３四半期連結決算は、売上高は232億0986万円（前年同期比7.7％増）、営業利益は12億400万円（同1.0％減）、親会社株主に帰属する当期純利益は82億0889万円（同575.8％増）と、大幅な最終利益となった。

一方、UUUMはYouTubeの動画再生回数が当初の想定を下回ることなどから、2023年５月期通期決算が上場（2018年８月30日）以来初となる10億5000万円の赤字に転落すると発表している。創業者で筆頭株主（株保有比率29.46%）の鎌田和樹氏と第２位株主の梅田裕真氏（同8.77%）がTOBに応じることで合意している。買い付け価格は１株あたり727円、公開買い付け期間は８月14日から９月８日まで。

2013年に設立されたUUUMは、人気YouTuberのHIKAKINらが所属する最大手だが、今期の赤字転落で「YouTubeの時代」が曲がり角を迎えていると見られている。今後、フリークアウトHDとの連携でどのようなシナジーが生まれるか注目される。