東京オリンピックから正式種目として新たに登録されたスケートボード競技は、そのファッションスタイルと共に日本のユースカルチャーとなっており、ストリートにはスケーターファッションに身を包んだ若者が溢れている。日本のスケーターは世界的にレベルが高く、今大会にも世界ランキング上位に食い込む選手が多く出場しており、金メダル獲得が期待されている。
若者のストリート文化から生まれたスポーツなだけあって、スケーターの平均年齢は他の競技よりも若い。今回のオリンピックにも日本代表として12歳から22歳の10名の選手が出場する。そんな中でもひときわ注目されているのが平野歩夢選手である。スノーボーダーとして2014年と2018年の冬季オリンピックで2大会連続で銀メダルを獲得したという偉業を持ちながら、今大会ではスケーターとしてメダル獲得を目指している。一方で、印象的なドレッドヘアやオーバーサイズのファッションなど、その個性的なスタイルも人気の理由である。平野が大会で身につけたアイテムはネット上ですぐに特定されるほど、彼のファッションに対する注目度は高い。
平野は「ユニクロ(UNIQLO)」と2018年からグローバルブランドアンバサダー契約を結んでいる。2019年には競技用スノーボードウエアの共同開発を行い、トップアスリートとしての経験を生かした、軽量で実用性が高いウエアを限定発売した。街中にも馴染むシンプルなデザインやイヤホン収納スペース、タグの部分にデザインされた平野のサインなどが特徴で、発売後即完売し、翌年に再販されるほど人気を博した。その際平野は「今回、『軽さ』に徹底的にこだわった高機能な競技用ウエアが手に届く価格で発売されることで、ユニクロで買ってその場で滑れる、そんなスノーボードの手軽さにも注目が集まることを期待しています」とコメントしている。平野は「ユニクロ」の着用モデルも務めている。
平野は「ユニクロ」以外にも、「ナイキ(NIKE)」や「オークリー(OAKLEY)」など、名だたるブランドとスポンサー契約を結んでいる。そのためスケーターにとって命となるスニーカーは「ナイキ」のものを着用することが多く、スノボーの際は「オークリー」のアイウェアを着用している。「服の組み合わせを考えるのが大好きで、特に大会で着る服は念入りに考える」と話す平野は、今回のオリンピックでどんなプレーや衣装を披露するのか。オリンピック開催中の彼の動向に目が離せない。