9月7日に行われた「ジャニーズ事務所創業者性加害謝罪記者会見」が繰り返しTV放映されている。また新聞、週刊誌も今までのウップンを晴らそうとばかり書きまくっている。ジャニーズタレントの露出をめぐって、どの媒体も嫌な思いをさせられていただけに、フルボッコ状態だ。
さて、報じられていない都内ホテルと記者会見を仕切った企業についてだが、都内ホテルはパレスホテルだ。仕切りはFTIコンサルティングだった。
FTIコンサルティングはニューヨークに本社をおく米国上場企業で、グローバルビジネスアドバイサリーファームとして、「M&Aや事業再編あるいは訴訟等をはじめとする経営上の重要課題に対するサポートの提供を行い、グローバルビジネスにおける企業価値向上を支援。 業務デューデリジェンス、ビジネスインテリジェンスをはじめ、不正行為調査、コンピュータフォレンジック、Eディスカバリー、知的財産権保護コンサルティングあるいはクライシスコンサルティングをはじめとする、幅広いビジネスリスクに対するソリューションを提供」(ホームページより)とある。
日本法人はFTIコンサルティングアジアリミテッドだ。今回はこの「クライシスコンサルティング」にあたるのだろう。同社の女性が司会を務めて、①挙手のあった人物は全て質問させる。②1人1問に限る。③サラトイ(さらに質問する)は遠慮してもらうというのが原則だったようだ。
特に①が来場したジャーナリストを満足させるとFTIは考えたようだ。これが4時間12分というロングラン記者会見になった理由。司会女性は良い意味でマスコミのことも芸能界のことも知らないようで、質問のトップバッターは日本共産党機関紙「しんぶん赤旗」の社会部記者というので会場にドヨメキが起こった。
この赤旗記者は東山紀之社長に対して「自身がハラスメントをした認識はあるか?またそのような指摘を受けたことはあるか?」と質問。最初から強烈な突っこみだが、具体性がなく「やっていません」の回答。
前回の記者会見レポートで書いたが、これが東京新聞の望月衣塑子記者の後半での質問のように、元ジャニーズJr.の山崎正人著「SMAPへーそしてすべてのジャニーズタレント」の中に東山紀之の性加害についての記述があるがどうなのだ?と質問すれば、回答はシドロモドロになっている。「しんぶん赤旗」記者に見習ってもらいたいものである。
しかし4時間12分の記者会見でも相変わらず「今の御心境は?」的な無駄な質問が約半数ではないのか?また社名・媒体名を言う時に「〇〇〇社の〇〇です。いつもお世話になっています」と言いそうになった輩がいた。もうこれもやめたらどうなのだろう。ホントはお世話になんかなっていないのではないか?数合わせに過ぎないのではないか。
1人1問とかサラトイ(更に質問を続ける)禁止というのもやめてもらいたい。前出の東京新聞望月衣塑子記者と菅義偉・元官房長官の会見でのバトルが有名だが、望月記者の場合、質問前の前説が長くて自己顕示ミエミエでこれもやめてもらいたい。
この謝罪記者会見は、その後批判の多さを見てみると、どうも失敗に終わったようだ。特に東山新社長に対する批判の噴出は収まりそうもない。
記者会見を絶対にしないで嵐が通り過ぎるのをじっと待つという「スキャンダルの塊のような木原誠二内閣官房長官」戦略というものもある。これも成功していると言えるのかどうか。どうも9月13日の内閣改造ではハズされるのが決まったようだが。
先月8月8日にアメフト部学生が薬物取締法違反で逮捕されたのを受けて記者会見を開いた日大も大失敗だったと言われている。そもそも8月8日じゃ「ハッパ」じゃないかと言われたものだが8月9日にしたところで「ヤク」だからなあなどと笑い話になっているが、ジャニーズの方は笑い話になりそうもない。