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Japan|7900万円の負債総額で「ノゾミ イシグロ」が破産 無頼派デザイナーに復活を期待する声も

Oct 10, 2019.高村 学Tokyo, JP
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JFW公式HPより

「ノゾミイシグロ・オートクチュール(NOZOMI ISHIGURO HAUTE COUTURE)」を手掛ける株式会社NOZOMI ISHIGUROが2019年10月2日、破産した。東京商工リサーチによると、2013年6月期の売上高は1億2000万円あったものの、近年の売上高は約4000万円まで減少し、負債総額は7900万円という。

デザイナーの石黒望(55)は、桑沢デザイン研究所を卒業した1985年に株式会社コム デ ギャルソンに入社、「ジュンヤ ワタナベ・コム デ ギャルソン(JUNYA WATANABE COMME des GARÇONS)」でパタンナーとしてキャリアを積んだ。1998年に独立し自身のアトリエを構え、「ノゾミ イシグロ(NOZOMI ISHIGURO)」を開始、ショーを開催するために全精力を注いでいたともいえ、クリエイションは業界関係者から高く評価されていた。また、エンケンこと音楽家の遠藤賢司をショーに呼び演奏させるなど、東京コレクションきっての無頼派だった。

今回の破産で、東コレの若手デザイナーも同様の状況に置かれているのではないかと思わざるをえない。そのほとんどは年商1億円以下で、ファッションショーをするために洋服を売っているデザイナーばかりだと推測される。まともなビジネスを考えているのであれば、有能なビジネスパートナーの存在が不可欠なのだろう。キャリア30年以上の石黒望でさえも、1億円にも満たない負債でファッション業界から退場となってしまった。すでに50歳代半ばの石黒望はITは不得意分野かもしれないが、クラウドファンディングなどを利用して、復活をぜひ期待したいものだ。

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