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丸井が掘り当てた「推し活経済圏」 目指すはエポスカードと推し活の無限循環【いづも巳之助の一株コラム】

NEWAug 11, 2025.いづも巳之助Tokyo,JP
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劇場版『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』の公開に合わせて開催されたポップアップ(撮影:セブツー)

おそらくコロナ以降にビジネスモデルをチェンジした企業の中で、最も模倣しにくくユニークな設計をしたのは、丸井だよ。いや、巳之助の見立てだと、かなりの試行錯誤の繰り返しから発見したのでは?と思えるフシもある。

カードビジネスというか、フィンテックと店舗を循環させている流通企業は、百貨店、スーパー、コンビニなど色々あるが、丸井は、店舗のKPI(事業成果を測る指標)がまるで他社と違うんだ。

①百貨店やスーパーだと当たり前だが、
売上高、来店客数、坪効率(坪当たり売上)

②丸井の新しい店舗戦略だと、
会員化率(来店客の何%がカード入会)
利用促進額(カードで使った金額)
家計シェア(生活支出のうち何%がエポスカードか)

要するに丸井の店舗は、特に全国22店舗のマルイ・モディを中心に売上、来店勝負じゃなく、フィンテック事業+店舗=合算でのトータル勝負なんだ。その結果、フィンテック事業で利益の97%も得てるんだよ。

最初は、「店舗商売って、そんなんじゃねえよ」とか言ってた他社の皆さん、巳之助を含め、反省しましょう。実はフィンテックと店舗の循環が、キレイに廻る隠し球があったとは、最初は誰も気づかなかったんだ。

それは何かというと、このカードじゃなきゃできない事、「好き」を応援するカード会員=つまり推し会員のおかげなんだよ。ナントその数約120万人、全会員の約15%に過ぎないが、LTV(生涯利益)は一般カードの最大7倍にも達する。

理由は明快で、アニメやゲーム、音楽、スポーツなど特定ジャンルへの愛着を背景に入会するから、カード自体がファン活動や寄付の延長線上にあるんだ。エポスカード入会の4割が推し会員じゃ、他社は真似できないし、30代以下が過半数を占め、入会後の利用定着率も高く、長期保有傾向が顕著だから、もはや一過性じゃないんだ。

だから、カードが増えれば、店舗やECでの物販、店舗家賃、カード手数料、得意のファイナンス、最近はコンテンツ投資まで、沢山の財布が自然に膨らんでいく仕組みになる。こんなの考えてできるモデルなんかじゃないよ。

エポスカード推し会員は、金に糸目はつけない新種族(笑)だから、そのカードを中心に生活するよね。そうなるともう、丸井経済圏と言ってもおかしくないデカい話になると妄想するねー。

株価は、上昇トレンドが続き、3150円台が押し目候補かなあと。年内は3350〜3500円台を試す展開もありそうだという声が多い。でも、この独特なフィンテック事業は、もう一段高に行きそうな気配だなあ。もしかしたら、今は国内完結モデルだが、輸出余地もあるもんな。世界に「推し活民」なんてウジャウジャいるもんな。

▶︎巳之助メーター 2ニョロ 監視中
なんかワクワクする企業になったね。
(1ニョロ=素通り 2ニョロ=監視 3ニョロ=今だ!)

■プロフィール:いづも巳之助
プライム上場企業元役員として、マーケ、デジタル事業、株式担当などを歴任。現在は、中小企業の営業部門取締役。15年前からムリをしない、のんびりとした分散投資を手がけ、保有株式30銘柄で、評価額約1億円。主に生活関連の流通株を得意とする。たまに神社仏閣への祈祷、占い、風水など神頼み!の方法で、保有株高騰を願うフツー感覚の個人投資家。

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