JR東日本の本年3月期は営業収益2兆8875億円(+5.8%)、営業利益3767億円(+9.2%)、営業利益率13.0%。だが内訳を見ればすぐわかる。
① 運輸1兆9457億円の利益率は9.1%
② 流通・サービスは3937億円で15.4%
③ 不動産・ホテル4454億円で27.0%
つまり「非輸送が、稼ぎの本丸になった」ことを語っているね。
その中核がルミネだ。昨年度の売上はSC事業3822億円、EC「アイルミネ」68億円。2027年度に4800億円、2028年度は5000億円を目標に掲げる。新宿4館は売上1126億円超、坪効率801万円で全国駅ビルで圧倒的首位。二番手の「ルクア大阪」は坪効率540万円だから、その差は3割以上だな。
▷ルミネはなぜ重要?
ルミネは単なるショッピングセンターを超え、鉄道を基盤に不動産・フィンテック・システム・広告代理機能をつなぐハブ機能と化した。グループ内の非鉄道事業は、「ルミネを核」にしないと独自性を失ってしまう。例えば昨年開業した「イイトルミネ」。新宿駅構内に28店舗を展開し、グルメやウェルネスを軸に展開。Suica・JRE POINTと連携し、新しいターゲットの若年層やインバウンド需要まで開拓したんだよ。ここは巳之助も何回か視察したが、かなり評価が高い。女性一人の利用やインバウンド等、今までのJR駅内で見なかったアクションが散見されたからね。
▷投資判断を段階的に追ってみた
・第一段階 ルミネ売上5000億円達成(現状3900億)→ 株価は、4,000円水準へ
・第二段階 JRE POINT会員を1440万人 → 2000万人。モバイルSuicaを3300万件 → 5000万件へ拡大。
販促・広告収益が300〜400億円積み上がり(EPSは250円位になる) → 株価は5,000円へ。
・第三段階 アイルミネ200億円(現状約70億円)+高輪ゲートウェイ再開発で稼働が計画超に(本格寄与は2年後)(EPSは270〜280円になる) → ここまでくると株価5,500円へ。
逆に建設コスト高や金利上昇が重なれば、3,500円前後で足踏みする可能性も勿論あるが……。でも巳之助は、この社長達がいる限り、大丈夫だと思うんだ。
▶巳之助メーター 3ニョロ 今こそ!
(1ニョロ=素通り 2ニョロ=監視 3ニョロ=今だ!)
株価がぐっと騰がる目安は、「JRE POINT会員1500万人」「モバイルSuicaが3500万件超」、「アイルミネ売上200億円」だ。到達するのは、2027年度前半までと予想。今から買っても、悔いはなさそうな気配だね。
■プロフィール:いづも巳之助
プライム上場企業元役員として、マーケ、デジタル事業、株式担当などを歴任。現在は、中小企業の営業部門取締役。15年前からムリをしない、のんびりとした分散投資を手がけ、保有株式30銘柄で、評価額約1億円。主に生活関連の流通株を得意とする。たまに神社仏閣への祈祷、占い、風水など神頼み!の方法で、保有株高騰を願うフツー感覚の個人投資家。