「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」は4月19日、中核事業であるテーマ事業の協賛に6社が新たに加わったと発表した。
今回発表された新規協賛社は、資生堂、ミズノ、みずほ銀行、アクセル、奈良商工会議所、リネットジャパングループである。多種多様な業種から賛同を受け今回の発表で協賛者数は40社となった。協賛社の募集は続いており、現在も多数の企業と契約協議している。
「2025年日本国際博覧会」は、2025年4月から10月まで大阪の埋立地夢洲(ゆめしま)で開催される。「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマをもとにそれを体現する様々な企画を計画し、準備を進めている。また、同博覧会は「いのち」をテーマに掲げる万博として、世界が一つの「場」に集う機会となる。本万博を契機として世界の多様な価値観が交流しあい、新たなつながりや創造を促進していく。世界的な危機を乗り越え、一人一人のいのちを守り、いのちの在り方、生き方を見つめ直すことで、未来への希望を世界に示す万博となることを目指している。
同博覧会は、専門的事項について助言するシニアアドバイザーにデザイナーのコシノジュンコや建築家の安藤忠雄など各業界の著名人を多く迎えている。さらにアンバサダーにダウンタウンや松本幸四郎、山中伸弥を起用するなど広報にも力を注いでいる。また、昨年決定した公式キャラクター「ミャクミャク」はSNSを中心に流行し「SNS流行語大賞」の候補にもなった。
しかし、工事費用の高騰や予算の引き上げ、会場の地盤沈下対策など課題は多い。昨年から始まった会場整備の入札では不成立や停止などが相次ぎ、事業の計画は遅れをとっている。また、東京五輪・パラリンピックの談合事件により大手広告代理店の電通は、2月に大阪府から府発注事業の入札参加資格を1年間停止され、博覧会の協会も府の決定に準じ今後の電通の参加を認めないとした。これまで「ミャクミャク」のライセンス事業に携わってきた電通の不在が今後の進行にどう影響するだろうか。
今回6社が協賛したテーマ事業「いのちの輝きプロジェクト」は、映画作家の河瀬直美やメディアアーティストの落合陽一など8人の個性豊かなプロデューサー主導のもと、それぞれのコンセプトにそった展示を行う。8つの展示は訪れる全ての人が「いのち」について考え概念をアップデートする場所になる予定だ。
このプロジェクトの協賛社は協賛金額によって6つのクラスに分けられており、今回新しく追加された協賛社の中では資生堂が唯一協賛金額が多い方から数えて3番目のクラス「シルバーパートナー」となった。協賛金額15億円以上となる「プラチナパートナー」は現在、長谷工コーポレーション、大和ハウスの2社である。