アダストリアは4月13日、2022年2月期の通期連結決算を発表した。売上高は2015億8200万円(前期比109.6%)、営業利益は65億6400万円(同856.1%)、純利益は49億1700万円(前年は6億9300万円の赤字)だった。売上高は期初の業績予想に届かなかったものの、最終黒字を確保した。リアル店舗の営業時間が正常化し、さらに国内のEコマースは売上高が574億円(前期比106.8%)と伸張した。嵐の二宮和也をCMキャラクターに起用したウェブストア「ドットエスティ(.st)」も、会員数が今期190万人増えて約1360万人を達成している。
海外事業は、2021年1月から12月の連結期間となる。円ベースの売上高は、133億5200万円(前期比123.9%)、営業利益は3億8千万円(前年は8億9800万円の赤字)だった。「ニコアンド(niko and …)」2号店を出店し、ショッピングモール型店舗の3店を含め5店舗展開する中国本土は、円ベースの売上高で前期比214.5%となる27億7400万円と大きく増収した。「ジョジョの奇妙な冒険」との約1カ月の限定コラボイベントは、入店待ちの行列ができるほど盛況だった。香港と台湾は通期で増収増益となり、昨年4月以降経済が回復した米国でも赤字を大幅に削減できたことで、海外事業は黒字化を達成した。
アダストリアは、国内では成長ブランドの新規出店や「ドットエスティ」のテレビCMの実施、海外では中国本土と東南アジアの新市場の開拓、そしてM&Aを通じてさらなる成長を目指す。今年2月には飲食業を手掛けるゼットンを買収し、3月には連結子会社のBUZZWITを通じて、子供服ECブランド「ペアマノン(pairmanon)」を運営するオープンアンドナチュラルの全株を取得し連結子会社している。アダストリアは同日、2023年2月期の通期連結業績予想を発表した。売上高は2300億円(前期比114.1%)、営業利益は100億円(同152.3%)、純利益は63億円(同128.1%)とした。