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Japan|危険水域に入ったアパレル不況、8月中間決算は軒並み赤字か大幅減益

Oct 15, 2018.久米川一郎Tokyo, JP
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2019年2月に本決算を行うアパレル企業の8月中間決算が発表になった。主要数字は別表にまとめたが、実に惨たんたる結果になっている。特にファストファッション企業であるしまむらの不振は外資系の「H&M(エイチアンドエム)」や「ZARA(ザラ)」の伸び悩みなどと並び、日本のファストファッション市場が曲がり角に来たことを印象付けると言ってよいだろう。やはりマルチブランド型SPA企業のアダストリア(旧社名ポイント)も2016年2月期に連結で2,000億円企業になってからは、業績低迷が続いている。かつて不織布のトートバッグで一世を風靡した「LOWRYS FARM(ローリーズファーム)」に昔日の輝きはなく、効果的なテコ入れ策が待たれるところだ。

やや復調の兆しが見られる東証一部上場のバロックジャパンリミテッド(7月中間決算は黒字化した)を除くと、未上場のマークスタイラーやジャパンイマジネーションなどのマルチブランド型SPAには精彩がない。この分野では唯一パルグループホールディングスが好調な決算だ。3〜8月の上期については、全ての利益項目で過去最高を記録している。EC化率は14.7%(実額68億円)で前期に比べ3.1ポイント上場。自社ECサイトと実店舗のポイント共有化、データ一元化が図れたのが大きいという。EC化率15%あたりから、実店舗とのバッティングが起こり始めることからオムニチャネル化をどう進めるかが課題になっているが、この課題をパルグループホールディングスは見事にクリアしたようだ。さらに業態転換や不採算店の素早い撤退など、機動的な経営の成果が出ていると言えるだろう。SPA系については以上の通りだが、さらに厳しいのが従来のいわゆる大手アパレルと呼ばれるアパレルメーカーだ。この分野での最大手オンワードホールディングスは、微増収ながら、大幅な減益。順調なのはECでの売り上げで114億円で前年比31.4%増。総売上高の10%を超える水準だ。これが実店舗に影響したかどうかは定かではないが、主力の「23区」が7%減と不振だったのが大きく響いた。通期業績も下方修正された。下期でどれだけ挽回できるのか注目だ。

一方TSIホールディングスは、8月中間決算で営業赤字および最終赤字(当期純損益で3億6,200万円の赤字)を計上した。「想定内」とはいえ、非常事態だ。2事業(ウェブインターナショナル、アングローバルショップ)からの撤退費用約3億円や、昨年買収の米国スケーターズブランド「HUF(ハフ)」ののれん代償却約1億3,000万円が営業損失の主因。とは言え、全般の売り上げ不振がこうした営業赤字の原因であることは間違いない。いずれにしても「HUF」や10月に買収した上野商会が業績に貢献するのは下期からだ。上記に記した代表的企業のほとんどが厳しい結果を示しており、今のアパレル不況が危険水域に達したことを改めて実感させることになっている。

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