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「VOGUE JAPAN」などを率いるコンデナストの北田淳社長が退任表明 デジタル化とコロナ禍を含む激動の15年間を振り返る

NEWSep 19, 2025.高村 学Tokyo, JP
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「VOGUE JAPAN」や「GQ JAPAN」などを発行するコンデナスト・ジャパンは9月18日、北田淳社長が2025年12月末をもって退任すると発表した。後任の社長人事については追って発表される予定だ。

北田氏は1997年に同社へ入社。広告部門などでキャリアを積んだ後、2010年に当時の社長だった斎藤和弘氏の退任に伴い、代表取締役社長に就任した。以来15年間にわたり同社を率い、日本のファッション・ライフスタイルメディアを牽引
してきた。

コンデナスト・ジャパンは、米国を本拠とするコンデナストの日本法人。ファッション誌「VOGUE JAPAN」、男性誌「GQ JAPAN」などを展開し、紙媒体に加えてデジタル領域でも影響力を拡大してきた。特に北田氏の体制下では、雑誌の枠を超えたデジタルメディアへの転換が加速。イベント事業やブランドコラボレーション、EC連動企画なども手掛け、グローバル基準のメディア運営を日本市場に根付かせた。

ファッション業界では、出版市場の縮小とデジタルシフトが急速に進行するなかで、同社は変革を迫られていた。北田氏は広告収益モデルの多様化を進め、SNSや動画配信といった新たなチャネルを開拓。従来の雑誌ビジネスから、総合的なコンテンツビジネスへの進化を主導してきた。こうした取り組みは、国内外のブランドやラグジュアリー市場との強固な関係性を築く基盤となった。

また、北田氏の在任期間は、デジタル化とコロナ禍を含む激動の15年間。さらに、出版業界の顔とも言えた斎藤和弘・前社長の後任とあって、就任当時はさまざまな声も聞かれたが、日本のファッションメディアにおける大きな転換期を乗り越えてきたリーダーシップは高く評価されるべきではないだろうか。

コンデナスト・ジャパンは後任人事を通じて、次世代の経営体制を確立し、デジタル戦略やグローバル展開をさらに強化するとみられる。出版とテクノロジーの融合が進むなかで、同社の今後の方向性、さらにはまだ57歳という若さの北田淳氏の今後に注目が集まっている。

 

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