
DeNAの本社が入居する渋谷スクランブルスクエア
化粧品大手のマンダム、老舗百貨店の髙島屋に続き、村上ファンド系の投資会社が新たにディー・エヌ・エー(DeNA)の株式を取得した。10月27日付で関東財務局に提出された大量保有報告書によると、旧村上ファンド系のシティインデックスイレブンスと野村絢氏らの保有比率は5.12%。取得総額は約140億円にのぼる。
旧村上ファンド系の動向が明らかになった翌28日のディー・エヌ・エー株は寄り付き直後から上昇。前日比204円高の7%超まで買われ、市場は早くも反応を示した。
シティインデックスイレブンスは、投資家・野村絢氏が実質的オーナーとされる企業だ。野村氏は、かつて日本の「物言う株主」として知られた村上世彰氏の長女。父のDNAを受け継ぐかのように、近年は積極的な投資姿勢を鮮明にしている。
野村氏は2024年6月、約600億円を投じてフジ・メディア・ホールディングスの大株主に浮上。放送・メディア業界にも影響力を広げており、ここ数カ月でマンダム、髙島屋など消費関連企業にも出資を進めている。今回のDeNA株取得は、その流れの延長線上にあるとみられる。
DeNAは1999年に南場智子氏が創業したインターネット企業で、ソーシャルゲーム「モバゲー」などを展開。プロ野球チームの横浜DeNAベイスターズの親会社でもある。近年は医療やスポーツ、AI領域などへの多角化を進めている。
野村氏の動きは、単なる資産運用というよりも、企業価値の再評価を促すアクティビスト的な側面が強い。マンダム、髙島屋、そしてDeNA。老舗からネット企業まで、その出資先は業界を超えて広がりを見せている。かつての「村上ファンド」の遺伝子が、再び日本企業の資本市場で動き出している。









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