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対談連載「あの人は今!?」FILE1 ドン小西 ドン小西が語る コロナ禍をやり過ごす私の生き方(その5)

Aug 6, 2021.三浦彰Tokyo, JP
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小西:前回話したインテリアの仕事の他に、いろんな企業コンサルティングやっているの。コンサルティングっていうと面倒くさいのが多いんですよ。要するに古い体質の会社をどういう風に新しくするかとか、デジタル化するためにどうだとか、ビジネスもそれこそ店舗運営からネットビジネスに切り替えるためのノウハウであるとか。そういう人たちとは違って、僕は数字を上げるだけのことじゃないことをコンサルしてるの。儲かってきてはいるんだけども、足りないものが必ずあるんですよ。要するに、文化度とか、美意識であるとか、そういうものは、急激に10年15年で伸びたところってのは、数字は出来上がっていてもさ、なんていうんだろうね、食べ物でいうとさ、コクとか味わいみたいなものがないんだよ。そこを求める経営者が多い。

三浦:分かりますね。そういう需要。本読んでもなかなか身につかない。
小西:だからまず目にとび込んでくるのは名刺だね。「これね、上場狙うような会社の名刺じゃないよ」って言うんです(笑)。まずその会社のコーポレートマークが入ってないの(笑)。それに看板もひどいし、で僕は仕事欲しいって言わないから、お会いして、「いやこの名刺とオタクの会社のマークダサいですね」から話していくわけだよ。そうすると怒って帰る人もいるけどでも「そこまで言うのなら、じゃあどうしたらいい?」と聞いてくる社長はいるよね。いやこうでああでってやっていくうちに封筒から何からやることになって。

三浦:そんな仕事もしているんですね。
小西:そうするとじゃあ受付嬢はどうかっていうと、受付嬢なんかまるでキャバクラなのよ(笑)。こんな感じの茶髪のお姉ちゃんがさ(笑)。それをね派遣会社がやっているんだよ。いやダメですよ。会社のカラーってのはどうなんですかって聞くんだけど、結局面接を僕がすることになる。髪の毛はこうして、口紅はこう塗っちゃいけない、でユニフォームはどうする?ユニフォームにお金かけなくてもいいから、そのお金でこういう風にしたらどうかって。グレーが合うと思うので「ザラ」でもいいじゃないですか、これとこれって、買いに行ってあげる。それでちょっとこういうボトムス履いて、胸元がアレだったらちょっとこういう色物のスカーフを選べばいいとかさ。そういうネックレスやっているんだったらピアスはこれくらいがいいとか全部やってあげる。それでもちょっとケバい女は辞めさせたほうがいいとか言ってね。そういうことを経営者は気がついていないですよ。いやウチに業者の方がくると、受付で話す時間が長いんで困っているとか。当たり前だよ、そんなの。ケバいお姉ちゃんが座っていたらさ、受付でナンパしてるわけだよ。

三浦:建設会社なんかでありそうな話だなあ(笑)
小西:会社にとって何のメリットもないし、女の子を斡旋しているみたいなもんだからさ(笑)。それで社員のユニフォームから会議室、社員がくつろぐ休憩室まで僕のアイデアで変えたのよ。女子の休憩室はまるっきり和の世界だったのをスターバックスみたいにしちゃった。屋上にグリーンを置こうとしたら、その会社はグリーンをフェイクにしてくれっていうわけ。フェイク、偽物だよ。偽物のグリーン。それはダメですよって説得しましたよ。これはね、社員や女の子が朝早く来て植木に水をあげるようにしたいんですよ。「じゃあどうしましょう」って言うから、自然に使いたくなるようなカッコいい何万円もするおしゃれな昔のジョウロだよ、それでお水をあげる。それを買った方がいいって話したの。そうしたら、皆さん喜んでくれて、極端なところだと 僕のおかげで年商が1.5倍になりましたって。そういう人がいっぱい。業績がどんどん上がってきている。

三浦:そのジョウロ1本でですか?
小西:それだけじゃないけれど、本当に空気を変えることが大切なの。そのうち、うちにある二百何十台の営業車のカラーリングもしてくれという注文があって。で、来週行くんですけどね。

三浦:それで、何色にするんですか?
小西:コーポレートカラーですよ、もちろん。あとはどんどん仕事増えてきちゃって。例えば会長や社長の趣味のこともある。どうしていいかわからないんですね。金があるからクラシックカーをいっぱい買うんですよ。でもなんかメチャクチャなんだよ。フェラーリがあったかと思ったらジャガーあったり。で、絵もそうでバラバラ。財力に任せて買っているから。一貫性を持たせなくちゃいけない。バカにされるだけで、自分の趣味をもっと大事にしなきゃいけない。で、そういう車や絵を買うときに立ち会ったり、挙げ句の果てにはロールスロイスが欲しいって人がいて、コーンズに2 日通ってロールスロイスのですねカラーリングからもう内装から全部やってあげたの。で、半年かかって出来上がりました。もう本当に僕が絡んでいるすごくおしゃれなコーディネートですよ。僕が欲しくなっちゃったくらい(笑)。そうしたらね、その社長だけじゃなくて、なんと奥様まで 喜んでいるんですと。

三浦:さすが、趣味がいい。
小西:そういうのが口伝えでどんどんどんどん広がっていく。そういう風にセンスがなくて文化度が低い人。僕に平気で何万円もするワインぼんぼん送ってくる方。でもなんか足らないんだよ。財布には金いっぱいあるんだよ。でもなんか足らないっていう、そういう人いっぱいいらっしゃるのね。だからそういう業績を上げていくサポートをする、いわゆるコンサルティングする人はいっぱいいるにはいるんだよ。でも僕みたいな人はなかなかいないのよ。

三浦:わかりますよ。そういうビジネス。
小西:パーソナルスタイリストっていうのかな。その家族の面倒も見ちゃう。だから社長の家族が全部おしゃれになって、すごく気持ちが入ってきて生きる気満々になってくれればさ、その社長もウチに帰って会話できるようになって、仕事にそのエネルギーを注げたりする。で、社長が元気になってやる気になると社員もその気になってくるっていう好循環なんだよね。だから そういう役割が俺には一番向いているのかなって。

三浦:まあ別にコンサルティングって言っても帳簿見てああだこうだって言うだけじゃないから。
小西:そうです。

三浦:そういうのは会計士や税理士がいますからね。
小西:そういう数字に強い賢い人はいっぱいいるからね、そういうことが仕事になってきてからは、 いろいろ勉強してますよ。もちろんテレビも観ますし、新聞も読みますし、わからない経済史もだんだんわかるようになってきたし、芸能関係の週刊誌も見たり、ファッション誌も見たり 色々やってますよ。

(8月13日金曜日アップ予定の第6回に続く )

 

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