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日本撤退の「エディー・バウアー」の転落はいつ始まったのか?

Oct 19, 2021.三浦彰Tokyo, JP
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エディー・バウアー・ジャパンの日本撤退が決まった。現在アウトレットも含めて全国で56店を展開しているが、全店とECサイトを年内にクローズする発表があった。

さて、エディー・バウアー・ジャパン(以下EBJ)は現在どれくらい売り上げがあるのだろうか。探してみると、2007年11月20日〜12月24日までエン・ジャパンの転職サイト「エン転職」に掲載されたEBJの販売専門職(セールスアソシエイト)の募集広告(来春までに10名以上の積極採用)を見つけた。これによると「第二創業(1993年12月創業/資本金30億円:オットージャパン出資70%、Eddie Bauer LLC出資30%)を迎えたエディー・バウアー・ジャパンを共に創ろう。昨年新社長が就任し新生エディー・バウアー・ジャパンとしてスタートした当社は全国各地に61店舗を展開し、150億円の売上高を誇っています。今後も事業展開を続け、5年後には100店舗展開、300億円の売上高を目指していきます」とある。

求人広告にいい加減なことは書かないだろうから年商150億円という数字は信ぴょう性があるのではないかと思う。また同求人広告によると従業員数240人、賞与年2回(2006年実績平均5.0カ月)とあるから、利益もそれなりに上がっていたように思える。よく考えれば2008年9月15日のリーマン・ショックを10カ月後に控えた大半の海外ブランド法人にとっては、業績ピークの瞬間と言っていい時期だったのではないかと思う。

それから、今回のコロナ・パンデミック発生の2020年2月まで13年間に坂道を転がり落ちるように売り上げの減少が続いたのではないかと思われる。現在の店舗はその13年前の61店から5店舗減少して56店舗。2007年11月の時点で掲げていた100店舗で売上倍増の300億円の目標は、おそらく逆に年商は半分の75億円程度になってしまったのではないだろうか。リーマン・ショックで凋落が始まり、コロナ・パンデミックで息の根を止められたということであろう。13年間で売上高が半減したのであれば、その国のビジネスは間違いなく撤退の有力候補にあげられるだろう。

「エディー・バウアー(Eddie Bauer)」と言えば、1920年にシアトルで創業したアウトドアの代表的ブランドである。米国初のダウンジャケット「スカイライナー」、アメリカ人初のエベレスト登頂に貢献したダウンパーカーなど数々のレジェンドを持つアウトドアの雄である。コロナ禍でも成長を続けるアウトドアブランドが多い中、日本撤退とは意外だが、アウトドアゾーンは好調でもそれだけ競争が激しいということなのだろう。

本国のアメリカでは「エディー・バウアー」はすでにリーマン・ショック直後の2009年に連邦破産法第11条(日本での民事再生法にあたる)を申請して倒産している。その後投資会社のゴールデン・ゲート・キャピタル(Golden Gate Capital)が買収し、その運営グループであるPSEBグループが所有。そして今年6月にはブランドマネジメント企業オーセンティック・ブランズ・グループ(AUTHENTIC BRANDS GROUP)とスパーク・グループ(SPARC GROUP)が買収している。今回の買収でエリアごとの見直しを行い日本撤退にゴーサインが出たようである。

「トップショップ」(2015年撤退)、「アメリカンアパレル」(2016年撤退)、「オールドネイビー」(2016年撤退)、「アメリカンイーグルアウトフィッターズ」(2019年撤退)、「フォーエバー21」(2019年撤退)などが最近日本撤退した主な海外ブランドだが、コロナ・パンデミックが収束の兆しを見せている現在、水面下で日本撤退を検討している海外ブランドは少なくないはずだ。

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