
スポーツアパレル大手のゴールドウインは11月6日、2026年3月期の中間期決算を発表した。売上高は555億8900万円(前年同期比4.2%増)、営業利益は69億5900万円(同33.5%増)と堅調に推移した。一方で、親会社株主に帰属する中間純利益は67億9800万円(同13.6%減)と減益となったものの、第2四半期(7〜9月)はすべての月で計画と前年同月を上回り、業績は明確な回復基調に入った。
事業別では、売上高構成比で約6割を占めるライフスタイル事業が325億8900万円(同2.3%増)と好調。主力ブランド「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」を中心に、アウトドアと日常をつなぐ高付加価値商品が引き続き支持を集めた。
売上高構成比で約3割を占めるパフォーマンス事業の売上高は166億5200万円(同1.3%減)。2024年に終了した「ダンスキン(DANSKIN)」「エレッセ(ellesse)」「241(トゥー・フォー・ワン)」「ブラック&ホワイト(BLACK & WHITE)」の4ブランドの閉鎖により、約11億円の減収が響いたものの、既存ブランドの底堅い需要が下支えし、営業利益率は改善傾向にある。
また、ファッション事業の売上高は53億8300万円(同18.8%増)と急伸。特に「ザ・ノース・フェイス パープルレーベル(The North Face Purple Label)」は二桁増収とさらに存在感を高めており、ゴールドウインの渡辺貴生社長は「9月、10月の早い時期から動き始めている」と説明する。
直営店でのインバウンド売上も回復貴重にあり、今後も底堅く推移するとみている。中国本土でも今期は営業赤字を見込むが、新店舗の出店が計画通りに進んでおり、2027年3月期での売上高は100億円(前年同期比56.2%増)、営業利益も黒字化を達成する見込みだ。
さらに、同日開催の取締役会では、25億円を上限とする自己株式取得を決定した。取得株数の上限は120万株、取得期間は2025年11月7日から2026年1月30日まで。自己株式を除く発行済株式総数に対する割合は0.87%となる。株主還元と資本効率の向上を目的としたものだ。
通期の業績予想は据え置き、売上高1405億円(前期比6.2%増)、営業利益259億円(同18.2%増)、純利益254億円(同3.9%増)を見込む。中間期の結果を受け、利益体質の強化が着実に進んでいる。
ゴールドウインは高付加価値ブランドへの集中投資を進めており、2029年3月期までに売上高1885億円を目標とする中期成長戦略を掲げる。主力「ザ・ノース・フェイス」で1280億円、自社ブランド「ゴールドウイン」で200億円というブランド別目標を掲げている。中間決算では堅調なブランド運営と戦略的なコスト管理により、再び持続的成長への道筋を明確にしたかたちだ。














![[[name]]](/assets/img/common/sp.png)