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Global|欧米で盛り上がるJ-Beauty、ブームを制すのはどのブランドか

May 10, 2018.セブツー編集部Tokyo, JP
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資生堂は2017年12月期に売上高1兆円の大台に乗り、コーセーは2017年第3四半期までの連結売上高が約2235億6600万円で5期連続の最高益更新、ビューティ分野で日本企業の好調が続いている。好調の要因は化粧品の対外輸出が伸びていることから、アベノミクスによる円安の影響や、化粧品市場の成長に欠かせないインバウンド需要が継続していることが挙げられるが、近年海外、特に欧米で高まる”J-Beauty(ジェイビューティ)”人気も見逃せない動きである。

“J-Beauty”というのはJapanese Beautyの略称で、ここ数年欧米でブームになった韓国美容ブーム”K-Beauty”(Korean Beauty)に続くものとしてこう呼ばれるようになった。すでにイギリスのVOGUEやBusiness Of FashionではJ-Beautyについての記事が出始めているが、フォトジェニックなパッケージや斬新なアイデアが特徴だったK-Beautyに比べて、J-Beautyの捉え方は、スキンケア中心のものや背景にある日本文化に着目したものなど媒体によって様々だ。

J-Beautyの実態が定まらない中、ブームの予感を察知した企業は機を逃すまいと海外戦略を加速している。コーセーは2014年に米化粧品ブランド「Tarte(タルト)」を買収し、昨年はフランスに研究拠点を設置、資生堂は今年3月に発表した新3カ年計画で”日本発のグローバルビューティカンパニー”を掲げ、米国にメイクアップとデジタル、欧州にフレグランスの戦略拠点を設置するなどグローバルな経営体制の構築に力を入れる。

こうした動きに加え、中堅ブランドも海外へ続々と進出している。中でも存在感を高めているのがカネボウの子会社エキップのブランド「SUQQU(スック)」である。「SUQQU」はイギリスのハロッズやセルフリッジといった百貨店内に現在4店舗を構え、今年5月には国際百貨店協会のサミットでJ-Beautyの筆頭ブランドとしてパネルディスカッションに参加するなど欧州での認知度が上がっている。最近では北海道発のブランドshiroがNYに出店するなど、決して大規模とはいえないブランドも海外を視野に展開している。国内市場が縮小するなかで、J-Beautyという追い風もあり今後もこうした企業は増えるだろう。

外資傘下にある「shu uemura(シュウ ウエムラ)」や「SK-II(エスケーツー)」はすでに世界市場で広く認知・展開されていてインターナショナルブランド色が強く、J-Beautyブームの恩恵は少ない。チャンスがあるのはこれまで日本およびアジア市場では成功していたが、欧米市場ではパッとしなかったブランドだ。K-BeautyはK-POPアイドルなど欧米ですでに人気のあった韓国特有の輸出コンテンツを活かしたマーケティングが功を奏した。日本ブランドも欧米で名の知られている日本人や、サブカルチャー・和食・着物など海外で親しまれている輸出コンテンツとのコラボレーションは不可欠。今後は日本発というバックグラウンドを活かし、いかに欧米市場に強烈に印象付けられるかが鍵となってくるだろう。

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