
フランスのラグジュアリーグループ企業ケリング(KERING)が、イタリアのダウンウエアメーカーのモンクレール(MONCLER)と買収の可能性を巡り予備協議を行ったことを、複数の関係者が明らかにした。米メディアのブルームバーグ(Bloomberg)が報じた。
非公開の情報であるとして匿名で話した同関係者によると、両社の上級幹部は統合を巡る予備協議を持った。ただし、交渉が買収につながるかどうかは確実ではないという。モンクレールの株価は年初から12月4日までに33%上昇し、時価総額は約100億ユーロ(約1兆2000億円*)。同社買収には、ケリングの創業者フランソワ・アンリ・ピノー(François-Henri Pinault)最高経営責任者(CEO)が、モンクレールの筆頭株主でもあるレモ・ルッフィーニ(Remo Ruffini)会長兼CEOの合意を得る必要がある。ブルームバーグ集計データによると、ルッフィーニ氏が管理する投資事業体はモンクレール株の22.5%を保有している。ケリングはコメントを控えているが、ロイターによると、モンクレールは「数社の投資会社とケリングを含むラグジュアリー企業とコンタクトをとっているが、現在のところ具体的な提案はまったくない」と述べている。
*1ユーロ=120円換算(12月12日時点)