
化粧品大手のコーセーは10月31日、2026年1月1日付で持株会社体制に移行し、商号を株式会社コーセーホールディングスとすることを改めて発表した。あわせて、従来の事業は完全子会社の株式会社コーセーへ承継される。今回の持株会社体制への移行に伴い、同日開催の取締役会で代表取締役および役員の異動を決議した。正式な就任は、2026年3月27日に開催予定の第84回定時株主総会承認後に確定する予定だ。
今回の異動では、約20年にわたって代表取締役社長を務めてきた小林一俊氏が、コーセーホールディングスの代表取締役会長・グループCEOに就任する。小林一俊氏は在任中にブランドポートフォリオの再構築や開発・生産体制の強化、海外市場でのプレゼンス拡大などを推進し、コーセーのグローバル戦略を牽引してきた。今後は、会長として新社長をサポートし、グループ全体の発展と企業価値向上を後押しする役割を担う。
新たに代表取締役社長・グループCOOに就任予定の澁澤宏一(65)氏は、1984年の入社以来、国内の営業やマーケティング部門で幅広く経験を積み、中国現地法人の董事長として海外経営にも携わるなど、国内外で豊富なマネジメント経験を有する。これまでの知見を活かし、持株会社体制下でグループ経営を統括し、持続的な成長と企業価値の向上を目指す。
今回の代表取締役2名体制への変更は、中長期ビジョンに基づき、グローバル展開の推進と経営基盤強化を加速させる狙いがある。持株会社体制への移行は、国内外の事業活動を一層効率的に統括するとともに、企業価値向上に向けた意思決定の迅速化を図る目的もある。
また、常務取締役には齋藤匡司氏が就任する予定だ。齋藤氏はTSIホールディングスの社長兼CEOを経て、日本ロレアルの副社長を務めていた。コーセーには今年10月に社長室のコーポレートアドバイザーとして入社、今後はブランド戦略とグローバル事業の拡大を担っていく。なお、コーセーの新社長には田中慎二取締役が就任する予定だ。
正式な役員異動の承認は、2026年3月27日の定時株主総会で行われる予定。コーセーは今後、持株会社体制の下で事業承継と経営効率化を進め、グローバル市場での競争力を一層高める方針としている。













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