BUSINESS NEWS
  • share with weibo
  • share with LINE
  • share with mail

LVMH系ファンドが福岡の関家具を買収 地方発ブランドに世界資本が参入

NEWSep 17, 2025.セブツー編集部Tokyo, JP
VIEW2
  • share with weibo
  • share with LINE
  • share with mail
関家具が担当した「ZOZOマリンスタジアム」のロッカールーム

世界最大のラグジュアリーグループ、LVMH(モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン)傘下の投資会社Lキャタルトン(L Catterton)が、福岡県を拠点とする家具商社の関家具を9月中に買収することが明らかになった。日本の地方発の有力企業を取り込む今回の買収劇は、国内外で注目を集めている。

関家具は1968年創業の老舗で、2024年5月期の通期決算では売上高185億円を計上。創業以来黒字経営を続けており、安定した財務基盤を誇る。従業員数は2024年6月時点で543名に達し、全国に直営店28店舗を展開。家具の販売に加えて、ホテルやレストランなど法人向け案件も手掛けており、幅広い顧客層を持つ。

また、同社はデザイン力や提案力にも定評がある。2022年にはプロ野球・千葉ロッテマリーンズの本拠地「ZOZOマリンスタジアム」のロッカールーム改装を担当し、スポーツ施設における実績も残している。こうした事業の多角化と堅実な経営姿勢が高く評価されてきた。

買収を仕掛けたLキャタルトンは、LVMHとプライベートエクイティ大手CVCキャピタル・パートナーズの共同出資で設立された投資会社。消費財やライフスタイル関連企業への投資に強みを持ち、これまでに世界各地でファッション、ビューティ、飲食、家具など幅広い分野の成長企業を支援してきた。今回の関家具買収は、日本市場での存在感を一層高める狙いがあるとみられる。

家具業界は少子高齢化や住宅着工件数の減少といった逆風に直面しているが、一方でインテリアへの関心の高まりやホテル・商業施設のリニューアル需要は堅調だ。Lキャタルトンの豊富な資金力とグローバルネットワークを背景に、関家具は国内シェア拡大だけでなく、アジアを中心とした海外展開も視野に入れる可能性がある。

地方発の企業がグローバル資本と結びつき、どのように進化していくのか。関家具の次のステージが注目される。

READ MORE