・売上高:1206億7200万円(今期から収益認識に関する会計基準を採用しているため前期の比較はできない。参考までに前期売上高は985億1200万円)
・営業利益:123億8700万円(前年比+119.9%)
・経常利益:125億9600万円(同+120.2%)
・親会社株主に帰属する四半期純利益:79億9300万円(同+117.2%)
驚異的な決算だった。これにより同社は従来(第2四半期決算発表時)の通期業績を以下のように上方修正した。
・売上高:1540億円→1600億円
・営業利益:108億円→137億円(前年比+82.2%)
・経常利益:110億円→139億円(同+82.1%)
・親会社株主に帰属する四半期純利益:66億円→86億5000万円(同+116.2%)
・年間配当:50円→75円
400億円体制に入ったEC事業とともにこうした好業績を牽引しているのが同社の300円ショップ3COINS(スリーコインズ)だ。「スリコ」の愛称で人気の同店は2022年2月決算時では230店舗で379億6000万円だったが、今期末は250店舗体制で500億円の大台を達成できるかどうか注目されている。
その3COINSにちょっとした騒動が持ち上がった。3COINSではキッズ向けの節分アイテムが従来から評判になっていたが、今年も1月20日から同社の公式通販サイト「PAL CLOSET」で先行販売されると、またたく間に完売商品が続出。例えば虎柄の「鬼のセットアップ」(550円)、虎柄の「鬼のパンツ」(330円)、「恵方巻きになれるベスト」(1100円)、「本気の鬼のお面」(330円)、「2本ツノ鬼のウィッグ」(550円)、「節分タペストリー」(550円)などだ。1月21日に全国の3COINS店舗で販売されると、一部の店舗でこの「KIDS節分グッズ」を求めて客が殺到し、この動画がSNS上で拡散されたのだ。殺到したのは主に転売屋と見られている。実際、フリマサイト「メルカリ」では定価の3〜5倍で取引されているという。3COINSでは1月23日に「一部の店舗において想像以上の混雑となりご来店されたお客様へはご心配ならびにご迷惑をお掛け致しましたこと、誠に申し訳なく深くお詫び申し上げます」と謝罪し販売体制の見直しなどを公式サイトで明らかにしている。
100円ショップ業界第3位のキャンドゥ(東証スタンダード上場)が1月12日に業績の下方修正(赤字転落)を発表するなど、コロナ禍で好調だった100円ショップにもその反動が出てきているのを尻目に、アパレルメーカーらしい商品提案力でこうした「騒動」まで引き起こす3COINSはまだまだ成長を続けそうである。