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三陽商会の通期決算は営業減益も次の一手出揃う 平林義規・新社長体制と販路改革で再成長へ

NEWApr 14, 2026.高村 学Tokyo, JP
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左から、大江伸治氏、平林義規氏(撮影:SEVENTIE TWO)

三陽商会は4月14日、2026年2月期の通期連結決算を発表した。売上高は584億4800万円(前年比3.4%減)、営業利益は12億9800万円(同52.2%減)と減収減益となったものの、親会社株主に帰属する当期純利益は41億1300万円(同2.7%増)と増益を確保した。

減益の主因は主力ブランドと販売チャネルの苦戦だ。「ブルーレーベル・クレストブリッジ(BLUE LABEL CRESTBRIDGE)」「ブラックレーベル・クレストブリッジ(BLACK LABEL CRESTBRIDGE)」が合計で8億2000万円の減収、「ベイカー・ストリート(BAKER STREET)」も8億円の減収、婦人服も4億9000万円の減収と苦戦が続いた。特に売上構成比61.8%を占める百貨店チャネルは、前年比29億9000万円減(同8%減)と厳しい結果となり、全体の収益を押し下げた。

一方で、EC・通販およびアウトレットはそれぞれ前年比8%増と伸長しており、販売チャネルの多様化は着実に進んでいる。百貨店が高級品志向を強める中、同社はアッパーミドル領域とのズレを認識し、販路の再構築に本格的に乗り出している。

2027年2月期は売上高600億円(前年比2.7%増)、営業利益21億円(同61.7%増)と回復を見込む。百貨店では売り場拡大を進めながらも、「サンヨー・スタイルストア(SANYO Style STORE)」の新業態での出店を強化し、商業施設への展開を加速。さらに新ブランド「オーレム(AUREME)」の立ち上げや、2027年秋冬からの「ハナエモリ(HANAE MORI)」展開など、新たな成長ドライバーの育成も進める。

既存ブランドの再強化も進行中だ。「ブルーレーベル・クレストブリッジ」はディレクター刷新による企画MDの見直し、「ブラックレーベル・クレストブリッジ」はスーツを軸とした商品力の強化に取り組む。ブランド価値の再定義と商品競争力の向上を両輪で進める構えだ。

また、東京・四谷の本社ビルは築56年が経過しており、一部土地の譲渡益(約28億円)を計上予定。老朽化への対応と資産効率の改善を同時に進める。ただし、中期計画は下方修正を余儀なくされた。2028年2月期の売上高は当初の700億円から620億円へ、営業利益も50億円から13億円へと大幅に引き下げた。

経営体制も刷新する。大江伸治社長は会長に就任し、後任には平林義規氏が社長に就く予定だ。三井物産出身の平林氏を迎え、「ツートップ体制」で新たな視点を取り入れながら変革を進める。大江氏は「前半は構造改革で黒字化を実現、後半は成長に乗せきれなかった」と振り返りつつ、今後は成長軌道への回帰に意欲を示した。

百貨店依存の見直し、ブランド再構築、そして新体制への移行。三陽商会は足元で課題を抱えながらも、次の成長に向けた打ち手は揃いつつある。構造改革の成果をどこまで売上と利益の拡大につなげられるか、その実行力が次の評価を左右しそうだ。

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