
ワコールホールディングス(以下、ワコールHD)は5月14日、2026年3月期の通期連結決算を発表した。売上高にあたる売上収益は1715億1000万円(前年比1.4%減)だった一方、営業利益は198億7700万円(同504.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は131億2400万円(同81.8%増)と大幅な増益となった。
業績を押し上げた最大の要因は固定資産の売却益だ。JR・近鉄京都駅八条口近くに位置する「ワコール新京都ビル」などの固定資産売却によって、195億4500万円の利益を計上した。一方で、海外事業では課題も残る。ワコールヨーロッパに関するのれんの使用価値を見直し、減損損失として10億600万円を計上した。
同社は利益還元について、「収益力向上のための積極投資を進めつつ、安定配当を継続することを基本方針」と説明。2026年3月期の期末配当は従来予想通り、1株当たり50円とした。
しかし、市場の視線は次期業績へ向かった。ワコールHDは同日、2027年3月期の通期業績予想も発表。売上収益は1876億円(前年比9.4%増)を見込む一方、営業利益は15億円(同92.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は18億円(同86.3%減)と大幅減益を予想した。
前期は大型不動産売却益が利益を押し上げた反動が大きく、収益の実力値を見極めたいとの見方が市場で広がったようだ。決算発表翌日の株価は前日比5.54%安の4,380円で取引を終えた。
近年のワコールHDは、構造改革や不採算事業の整理を進める一方、国内インナー市場の縮小や海外事業の立て直しが課題となっている。大型資産売却による一時的な利益改善から、次の成長戦略へ移行できるかが問われている。










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