
ファッションEC大手のZOZOは10月31日、2026年3月期の中間期決算を発表した。売上高は前年同期比6.5%増の1052億4900万円、営業利益は310億7400万円(同2.0%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は210億600万円(同0.6%減)となり、増収基調を維持しつつ、わずかに減益となった。
主力の「ゾゾタウン」事業は、前年同期比2.7%増の725億7500万円を計上し、売上全体の約75.4%を占めた。安定したEC基盤を背景に、堅調な成長を続けている。また、LINEヤフーとの連携による「Yahoo!ショッピング」「ヤフオク!」などのコマース事業は前年同期比18.3%増の105億5800万円と二桁成長を記録。広告事業も同4.0%増の54億6200万円と底堅く推移した。一方で、法人向けB to B事業は前年同期比37.0%減の6億6000万円にとどまり、落ち込みが目立った。
ZOZOは4月18日付で、英国のファッションECプラットフォーム「LYST(リスト)」を約231億円で取得し、完全子会社化している。LYSTは商品掲載の提携パートナーから成果報酬型の手数料を得るビジネスモデルで、受託販売やLINEヤフーコマースに比べ手数料率は低いが、物流費や荷造運賃、代金回収手数料などが発生せず、賃借料等の計上額も限定的であるため、連結上の販管費率は総じて低下した。5月からはLYSTが連結対象となり、商品取扱高の拡大に寄与している。
ZOZOの2026年3月期の通期業績予想は、売上高は前年同期比8.6%増の2315億円、営業利益は同6.9%増の692億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同5.4%増の478億円を見込む。主力EC事業の安定した成長に加え、LYSTの買収による海外展開の強化やコマース事業の拡張が業績を押し上げる見込みだ。
ZOZOは今後、国内EC事業の基盤を維持しつつ、海外市場でのプレゼンス拡大を図る方針だ。LYSTの成果報酬型モデルを活用することで、リスクを抑えながら商品取扱高を増やし、国際的なブランド力の向上を目指す。加えて、広告やコマース事業との連携による収益多角化も進め、国内外での持続的な成長を追求する構えだ。











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