
ファッションEC「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」を運営するZOZOは9月22日、米国のオープンAI(Open AI)が提供する企業向け生成AIサービス「チャットGPT エンタープライズ(ChatGPT Enterprise)」をグループ全社員に導入したと発表した。「チャットGPT エンタープライズ」は企業向けの最上位プランで、ZOZOは高度な自然言語処理能力を持つAIを全面的に活用することで、新規事業・サービスの企画開発から日常業務の効率化までを支援し、さらなる価値創出を目指す。
近年、生成AI技術の急速な進化や国内のIT人材不足を背景に、企業におけるAIの活用は喫緊の課題となっている。ZOZOでは早くからAI導入に取り組み、全社員向けの生成AI研修や社内専用ツールの開発・提供を行うなど、社員のスキル強化と業務効率化を推進してきた。今年7月にはエンジニア全員に開発AIエージェントの利用を決定するなど、部門横断でのAI活用を拡大している。
今回の導入により、長文資料や複雑な議事録への対応、スプレッドシートやCSVデータの直接分析・可視化といった幅広い業務を生成AIが支援できるようになる。また、ZOZOは「チャットGPT エンタープライズ」の機能である「カスタムGPT」を活用し、全社員参加型の研修プログラムも開始。業務ごとに最適化されたワークフローをノーコードで構築し、役員から社員までが自らカスタムGPTを作成・利用する。さらに、公開したカスタムGPTの月間利用者数を競うチーム戦を導入し、楽しみながらノウハウを共有し合う仕組みを整えた。
従来は部署や個人単位で分散していた生成AIの活用方法を、全社的に共有・体系化することで、より高い生産性と新たな事業アイデアの創出につなげる狙いだ。