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UK|イギリスのファストファッションブランドは衰退末期か?

Apr 24, 2018.Lindsay MacphersonLondon, GB
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Westfield White City

イギリスのファッションエリアに軒を連ねるブランドは衰退の局面にきているか?多分それはまだだろう、しかし前途は必ずしも明るくはない。最近の調査では昨年イギリス国内で5855の店舗が閉店し、出店率は過去7年間で最低レベルまで下落した。先月はファッション全体の売上高が前年比12.7%減少と悲惨な統計結果が出ている。

これらを引き起こしている原因は何か?専門家は記録的な家計負債のレベルや収入の減少、固定資産税の上昇、そしてもちろんオンラインリテールの躍進を要因に挙げる。長年イギリスのファッションエリアで確固たる存在であった百貨店のHouse of Fraser(ハウス・オブ・フレーザー)とDebenhams(ディベンハムズ)は両社ともに大規模な店舗閉鎖を計画していると噂されていて、イギリスの繁華街に必ず1つはあると言われるアパレルブランド「NEXT(ネクスト)」はスランプで売上高が前年比7.9%減少。2017年は過去25年間でもっとも過酷な1年となった。ファストファッションブランドとして人気を博した「New Look」は、今年3月に債務超過に陥り980人を解雇、60店舗を閉鎖する。主力ファッションブランド「TOPSHOP(トップショップ)」と「TOPMAN(トップマン)」に加えて、「Dorothy Perkins(ドロシーパーキンス)」、「Miss Selfridge(ミスセルフリッジ)」、そしてメンズウェアの「Burton(バートン)」を抱える巨大コングロマリット アルカディアグループ(Arcadia Group)のオーナー、フィリップ・グリーン卿(Sir Philip Green)は、本社と店舗での人員削減に続き、グループ全てのブランドの買い手を探しているという。「TOPSHOP」は今年末に中国進出を予定しているが、日本では2015年に全店舗を閉鎖、オーストラリアでは昨年TOPSHOP Australiaが任意管理手続き(米チャプター11に相当)に入るなど、グローバルな拡大の悲惨な結末を告げるニュースが続く。

しかし暗い現実ばかりでもない。スウェーデンの巨大ファッション企業H&Mは、イギリスでの店舗数は286で売上高はわずか1%減少、安定した運営を維持した。グループCEOは2019年から既存店ベースの売上高は成長基調に戻ると信じていると発言した。そして「ZARA(ザラ)」、「Massimo Dutti(マッシモドゥッティ)」、「Pull & Bear(プルアンドベア)」などを抱えるインディテックス(Inditex)は前年比7%の成長を報じたが、ほとんどがオンラインの成長によるものだ。これと類似した動きで、イギリスで250以上の店舗を構えるスコットランドのファストファッションブランド「Quiz(クイズ)」はオンラインでの成長が後押しになり、過去6ヵ月で売上の伸び率は30%に達したと発表。ファッションECの代表格である「ASOS(エイソス)」も同時期に売上高が27%増加し、大規模拡大へ駒を進めるタイミングにあると言われている。

こういった景気の良さはロンドンのショッピングモールWestfield London(ウェストフィールド ロンドン)が先月600万ポンド(約780億円)をかけて増築オープンした新エリアWhite City(ホワイトシティ)にも表れている。この増築によって同施設はヨーロッパ最大のショッピングモールになり、中国の有力ファストファッションチェーン「Urban Revivo(アーバン リバイボ?)」がイギリスで初の店舗(面積約22,000㎡)を出店する他、H&Mの新たなブランドや「Mango(マンゴ)」、「Boden(ボーデン)」なども軒を連ねる。また、今回の増築の目玉の一つは百貨店John Lewisの出店だろう。「John Lewis White City」と名付けられた店舗は、実験的なマーケティングに活かすためのトレンド収集の場と位置付けられ、顧客はそこでワークショップやパーソナライズサービス、ネイルバーを体験することができる。

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