・売上高:445億5100万円(前年比−3.2%)
・営業利益:20億500万円(同+74.8%)
・経常利益:26億3800万円(同+33.4%)
・親会社株主に帰属する四半期純利益:18億2300万円(同−11,5%)
・期末配当予想:12円(前年に同じ)
〈TSIホールディングス〉
・売上高:381億2200万円(前年比+11.4%)
・営業利益:16億300万円(同−29.5%)
・経常利益:22億1200万円(同−14.2%)
・親会社株主に帰属する四半期純利益:20億6300万円(同−15.1%)
・期末配当予想:7円(前年5円)
〈三陽商会〉
・売上高:143億5500万円(前年87億1000万円)
・営業利益:5億200万円(前年−5億6600万円)
・経常利益:5億9300万円(同−5億2400万円)
・親会社株主に帰属する四半期純利益:5億5900万円(同−7億4800万円)
※収益認識に関する会計基準を当第1四半期から変更し、単純比較は難しいために前年比は記載していない。
・期末配当予想:40円(前年0円)
オンワードHDが減収減益、TSIHDが増収減益、三陽商会が収益に関する変更はあったものの、大幅増収で黒字化を果たしている。
オンワード樫山の決算は、まだ大量閉店の影響があるため減収だったが、大幅増益だった。オンワードHDの場合は2013年2月期の売上高2583億6900万円、営業利益111億9200万円、経常利益134億500万円が最近の最高決算だ。営業利益で100億円というのが「復活」を証明する条件だ。第1四半期で営業利益が20億円なら十分に狙えるポジションにあると言えるだろう。この第1四半期決算が発表されたのは7月7日だが、その日の終値は262円。この決算は十分予想できたため6月22日の終値244円から2週間で10%ほど値上がりしたが、翌日7月8日の終値は247円。いわゆる材料出尽くしという売られ方だ。この決算も市場ではほとんど評価されないということか。
TSIHDは、増収しながら利益が減るという決算で、ECコマース戦略の遅れなどが原因で売上高営業利益率(営業利益÷売上高×100)は、前期の6.6%から4.2%に悪化した。この第1四半期決算は7月30日に発表になったが、その日の終値は343円。翌日は失望売りが出て、7月15日には303円という安値まで付けた。300円割れもありそうだ。
三陽商会は、前期「黒字絶対達成」という大目標を掲げながら、これを達成することができなかった。しかし、ついにこの第1四半期で黒字化を達成し、今期の黒字化も見えてきた。しかし、この第1四半期決算を発表した6月30日の終値972円まで上昇していた株価は翌日から下落して7月15日には805円まで実に15%以上の急落を見せている。これも材料出尽くしという現象で、そのまま株価上昇するほどの業績ではないという市場の評価である。なお、三陽商会の株価や配当が同業のオンワードHDやTSIHDに比べてかなり高目なのは、2017年7月に10株を1株にする株式併合を行ったためである。株価も配当もそれぞれ10分の1にすると他の2社との対等な比較が出来るようだ。なお同社は現在東証プライムに上場しているが、その条件のひとつである時価総額(株価×発行済総株数)100億円は、今の株価ではギリギリの水準になっている。これが満たされないと東証プライムでの上場はできなくなり、東証スタンダードへ格下げになる。