
ZOZOは、「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」を中核とする事業の拡張に向け、新たな一手を打った。ZOZOは4月30日、香りのサブスクリプションサービス「カラリア」を運営するHigh Linkの全株式を約49億5000万円で取得し、完全子会社化したと発表した。
今回の買収により、ZOZOはフレグランス市場への本格参入を図る。High Linkは、香りに特化したメディアやサブスクリプションサービスを展開しており、若年層を中心に支持を広げてきた。ZOZOは同社を取り込むことで、これまでのアパレル中心のEC事業に加え、香りという新たなカテゴリを取り込み、ファッション周辺領域の拡張を加速させる狙いだ。また、サブスクリプション型の販売手法を導入することで、顧客との接点を継続的に強化し、LTV(顧客生涯価値)の向上にもつなげる考えだ。
同日には2026年3月期の通期連結決算も発表した。売上高は2283億7300万円(前年比7.2%増)、営業利益は693億6600万円(同7.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は479億2600万円(同5.7%増)と、増収増益を達成した。主力のZOZOTOWN事業は、売上高1574億1600万円(同3.6%増)と安定した成長を維持している。
一方で、英国のファッションECプラットフォーム「LYST」の連結により、事業構成が変化。売上高は57億7600万円と規模を拡大したが、粗利率の低下やプロモーション費用比率の上昇により、全体の利益率にはやや下押し圧力がかかった。
また、同社は新規事業の見直しも進める。2025年6月に開始したマッチングアプリ「ZOZOマッチ」について、6月1日をもってサービスを終了すると発表した。同サービスは「出会いから購買へ」という新たなユーザージャーニーの構築を目指した取り組みだったが、事業ポートフォリオの選択と集中の観点から撤退を判断したとみられる。
今後の成長戦略についても明確な見通しを示している。2027年3月期の通期業績予想は、売上高2419億円(前年比5.9%増)、営業利益744億円(同7.3%増)、純利益497億円(同3.7%増)と、引き続き増収増益を見込む。
主力ECの安定成長に加え、フレグランス領域への進出、サブスクリプションモデルの導入、新規事業の選別。ZOZOはファッションEC企業の枠を超え、ライフスタイル全体を捉えるプラットフォームへと進化を進めている。その戦略の成否が、次の成長ステージを左右することになりそうだ。













![[[name]]](/assets/img/common/sp.png)