
風水の第一人者であり、人間の「欲」の正体を突き詰めてきたDr.コパ。第3回となる今回、この日は本来なら「神様の話」の続きを聞く予定だった。前回まで、神様とは何か、欲とは何か、運とは何か? そんな根源的な話を伺ってきた。ところが埼玉県の春日部に着くと、テーマは一転。Dr.コパ氏が登壇したのは、イオンライフの「メッセージノート」発行記念トークイベント。テーマは「終活」。正直、最初は意外だった。しかし話を聞くほどに、神様も風水も終活も、すべてが一本の線でつながっていることが見えてきた。 終活とは、死ぬ準備ではない。人生最後の開運活動である。今回は特別編として、春日部で聞いた「神仏のアルゴリズム」と終活の話を、余すところなくお届けする。
■メッセージノートは、先祖と子孫を結ぶ「祝詞」である
鳩尚芳(以下、鳩):コパ先生、今日は埼玉県・春日部の「イオン春日部」までお話を伺いに来ました。「メッセージノート」の発行記念トークイベント、会場はものすごい熱気ですね。これはどのような経緯で監修を手掛けられたものなのですか?
Dr.コパ(以下、コパ):イオングループで葬儀や相続、終活支援なんかを展開しているイオンライフっていう会社と一緒に作ったんだよ。取締役の谷知也さんという、「イオンのお葬式」に実直に尽力してきた素晴らしい方がいてね。コパの風水の知恵を掛け合わせて、終活を「開運活動」に変えるために作ったノートなんだ。コパにとってこのノートはね、先祖と子孫を結ぶ「径文祝詞(けいもんのりと)」のようなものなんだよ。遺された家族が将来、人生で困った時にこれを読めば、いつでも父さんや母さんのことをそばに感じて前を向ける、そういう思いを込めているんだ。
鳩:なるほど。単なるエンディングノートではなく、家族に運を引き継ぐためのノートなんですね。
コパ:そう。実は昨年の11月、笠松競馬場で行われたコパの愛馬・ラブミーチャンの銅像除幕式だけは何としても出たくてね。でも当時は膵臓がんで体はヘロヘロ、新幹線に乗るのもやっとの状態だった。現地で記念撮影をした時、心のどこかで「これが俺の遺影になっちゃうのかな」なんて思ったよ。でもね、主治医には「来年の立春を過ぎれば、俺は必ず元気になって、そこからは長生きするよ」と予見してあったんだ。
鳩:そして本当に、こうしてとっくに立春を過ぎて、信じられないほどお元気になられた。
コパ:鳩くん、そうなんだよ(笑)。この前なんか、その主治医たちを引き連れて銀座のクラブに飲みに行ってね。医者たちも「こんなにピンピンしているがん患者は見たことがない」って腰を抜かしていたよ。実は「遺言状なんて絶対に書かない」と突っぱねていたんだけど、あの時はさすがに税理士を呼んで準備をした。でもね、死んだ後の手続きで悩む必要なんて本来はないんだよ。だから、メッセージノートを書く時に一番大事なのは、「これからどうやって生きていくのか」という未来の意思を遺すことなんだ。終活の本質は、財産を遺すことじゃない。自分の「知恵」と「思い」を遺すことだからね。
■家の格を上げる「派手な見送り」
鳩:財産ではなく、その家が持っているマインドや意思を継ぐことが大事であると。
コパ:その通り。コパのマインドとは何だったのかを伝えること。今は核家族化して「大家族」の家が減ったから、上の世代から人生の作法を聞く機会がなくなってしまった。最近は「家族葬」という言葉が流行っていて、一見聞こえは良いけれど、コパに言わせればあれは寂しいよ。お父さんやお母さんが現役時代に一生懸命働いて築いてきた、会社や社会との「縁」までそこでバッツリと断ち切ってしまうことになるからね。
鳩:なるほど。でも最近は家族葬の方が当たり前になっていますよね。
コパ:家族も知らなかったような人から、お葬式に立派な花が届くことがある。コパもね、あえて本名ではなく「Dr.コパ」の名前で花を出すことがあるんだよ。そうすると遺族が驚くわけ。「えっ、うちのオヤジ、Dr.コパと友達だったの!?」ってね(笑)。その瞬間に、その家の格がグッと上がるんだよ。何でもかんでも簡素化しちゃうのは本当に寂しい。「生まれた時のお祝い」「結婚式」「お葬式」、この3つだけはしっかりやっておけば大丈夫なんだよ。だから、もしコパが死んだ後に家族が「家族葬にします」なんて言い出したら、それは大嘘だからね(笑)。コパは「派手にやれ!」って遺言しているんだから。
鳩:先生のお葬式は、とびきり賑やかになりそうですね(笑)。ところで先生、馬主になって、銀座にビルを建てて、神社まで建ててしまった。普通ならどれか一つでも人生の目標ですよ。どうしてそんなに色々なことを実現できたんですか?
コパ:人間、人生においてやれないことなんて何一つないんだよ。できない言い訳をするのは、「やる気がない」「知恵がない」「金がない」、この3つが足りないだけ。逆に言えば、この3つが揃って健康なら何だって実現できる。まずは「やる気」だよ、それを形にする「知恵」、そしてそれらを支える現実的な「現金(金運)」だ。コパが「金運がない奴はダメだよ」と言うのは、金運がすべての運の王様だからなんだよ。「コパはお金のことばかり」と言う人もいるけれど、お金の話をしているんじゃない。運の話をしているんだ。お金を味方につければ寿命だって買える。現に、コパは風水で寿命を買って、今こうして生きているんだから。
■悔いを残して死ぬ人ほど長生きする
鳩:改めて伺いますが、主治医から「余命宣告」されて、一度は死の淵をのぞき込んだ時、先生の中に「あれもやりたかった」という後悔や欲は、どのように渦巻いていたのですか?
コパ:よく世間でさ、「人生の預金残高をすべて使い切って、綺麗にやりきって死にたい」なんて格好いいことを言う人がいるけれど、コパに言わせればそんなのは大バカ野郎だよ。そんな風に綺麗に枯れて死んだら、生きている価値がないじゃない。
鳩:すべてをやりきって、満足して死ぬのがバカ、ですか?
コパ:そうだよ。「あれもやりたい、これもやりたい、まだまだ死ねない!」と、たくさんの悔いや強烈な「欲」を残して死ぬことこそが、人間がこの世に生きた最大の証なんだ。コパはね、あえて「悔いを残して死ぬ方法」を見つけちゃったんだよ。死ぬ間際まで「もっと面白いことをしたい」「もっと上を目指したい」という欲をギラギラと燃やし続けているからこそ、人間は細胞レベルでギリギリまで強い運気を保っていられるんだ。
鳩:枯れていくのではなく、最後の瞬間まで欲を燃料として燃やし続けることが、文字通り命を繋ぐ復活のエネルギーになるのですね。
コパ:実際、コパは風水の力で「立春を過ぎたら元気になる」と自分で予見して、その通りにがんをねじ伏せて、銀座のクラブで医者たちと酒を飲んでいるわけだからね(笑)。自分の未来を予見し、それを絶対に手繰り寄せる。そのためには、「こうなりたい、あれが欲しい」という具体的で強烈な欲が、人間の命のエンジンとして絶対に必要不可欠なんだよ。
イオンライフ公式HP:https://www.aeonlife.jp/
【インタビュアー鳩尚芳の感想】
今回の取材で驚いたのは、コパ先生の「終活」が、世間で言われる終活とはまったく違っていたことだ。実はコパ先生が膵臓がんだったことは以前から聞いていた。だから今回も、病気や死と向き合った人らしい重たい話になるのかと思っていた。
ところが実際に会ってみると、その悲壮感がまるでない。むしろ我々の方が元気がないくらいである。主治医たちを連れて銀座のクラブへ飲みに行った話を笑いながらする姿を見ていると、本当に余命宣告を受けた人なのかと疑いたくなった。
そして今回、強く印象に残った言葉が二つある。一つは、「葬式は派手に見送れ」という言葉だ。最初は豪快なコパ節だと思って聞いていた。だが話を聞いているうちに、それは亡くなった本人のためだけの話ではないと分かってきた。葬式は、残された家族や親戚が、その人の人生の大きさや人との縁を知る場でもある。派手な葬式とは見栄ではない。故人が築いた信用や人とのつながりを、次の世代へ引き継ぐための儀式なのだろう。
そして、もう一つ。今回の取材で最も心に残ったのが、この言葉だ。「たくさんの悔いや強烈な欲を残して死ぬことこそが、人間がこの世に生きた最大の証なんだ」。正直、私は逆だと思っていた。悔いなく生きることが理想なのだと。だがコパさんの話を聞いていると、やりたいことが次々に出てくる人の方が、実は生命力にあふれているように見える。
たくさん夢を叶えたから、また次の夢が見つかる。そう考えると、悔いが残る人生とは失敗ではない。それだけ前向きに生きた証なのかもしれない。この話は、今度母にも伝えてみようと思う。「まだまだやりたいことがある」。そう言ってくれたら、それはとても良いことなのだろう。
だからコパ先生は、末期がんを経験した話をしているのに悲壮感がない。奇跡を信じているからではない。まだやりたいことが山ほど残っているからだ。そして、だからこそコパさんはこれからも、奇跡ではなく、しぶとく長く生きるのだろう。まだやりたいことがある人は、強い。

■Dr.コパ プロフィール
建築家であり、風水の第一人者。日本における風水の普及に大きく貢献し、「西に黄色」などの分かりやすい開運法で広く知られる。建築をルーツに持ち、住宅や都市の設計思想に風水を取り入れた「環境から運を変える実践型の理論」を確立。政財界や文化人の相談役としても知られ、長年にわたり多くの意思決定に関わってきた。自身も風水を実践し、馬主としても活躍し、近年は銀座に神社を建立するなど、その行動は常にスケールが大きい。人・場所・時間を総合的に捉え、独自の人間関係理論「ゼロサンの法則」を提唱。難しいことをシンプルに言い切るスタイルで、多くの支持を集めている。
■鳩尚芳(はーと なおよし)プロフィール
ファッション誌を中心に活動するライター。ラグジュアリー、ホテル、ブランド、ライフスタイル分野の企画・執筆を手掛ける。一方で、占いやスピリチュアル分野では長年ゴーストライターとして活動しており、表舞台に出ることは少ない。今回は長年取材を続けてきたDr.コパに対し、「一番わかっている読者」としてインタビュアーを務める。







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