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コレクションサーキットの先頭に躍り出た東コレにメリットはあるのか?!

Jul 26, 2022.三浦彰Tokyo, JP
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「Rakuten Fashion Week TOKYO 2023 SS」キーヴィジュアル©JFWO

夏だからなのか、サントリーの「角ハイボール」のTVCMが頻出し、至るところに刷られた「ウイスキーがお好きでしょ」の井川遥のポスターを見ていると、反射的にかつて東コレの人気ブランド「アトゥ(ato)」とそのデザイナーの松本与(あとう)のことを思い出してしまう。松本与はパイオニア(2019年上場廃止)の創業家である松本ファミリーの一員である。1993年にブランドを設立し、1994年に初めてショーを行った。東コレでファッションショーを披露することはいつ頃からかなくなってしまった。まだビジネスをやっているのかと思って調べると、南青山の直営店は営業しているし、上盛岡、高崎、カワノ(新宿)、アイディハート(渋谷)、ボードレー、イノセンス(以上神戸)、session福岡セレクトショップ(赤坂)などの店で販売もされている。またEコマースで販売もされている。東コレに参加しなくなったからといってファッションデザイナーという生業をやめたわけではない。むしろこうした例は珍しく、きっぱりこの世界から足を洗って転業しているデザイナーも多いことだろう。

そんな事を考えていたら、8月29日から9月3日まで開催される「Rakuten Fashion Week TOKYO 2023 SS」のスケジュールの発表記者会見が7月26日に行われた。今回参加するのは49ブランド(フィジカル発表27ブランド/デジタル発表22ブランド/うち初参加15ブランド)。

え、こんなに早い開催で間に合うのかな?というのが最大の疑問。従来コレクションサーキットの先頭を毎年走っていたニューヨーク・コレクションを抜いて、コレクションサーキットの最初に位置しようというのだ。すごい仕掛けではある。「早いからって何のメリットがあるのか?」という声が聞こえそうだ。今までコレクションサーキットの最後尾にいたころは、「東コレが世界で認められないのは、東コレにバイヤーが辿り着いた頃には、もう予算を使い果たして買う金が無いため」などと平然と発言していたJFW関係者がいたほどだが、もちろんバイヤーそのものが来ないのだからそんなことはないし、先頭になったからといってバイヤーが多数東コレに来ることはまずない。

しかし、ひとつだけ強調できる点がある。それは、「東コレにはコピーが多い」という声を封じ込めるということだ。シーズン最後尾にいるので、そのシーズンにニューヨーク、ロンドン、ミラノ、パリで発表されたトレンドを見てから超スピードでコレクション制作をしている」と言われたブランドが多かったのだ。この声をなくせるだけでも先頭開催のメリットがあるかもしれない。

49ブランドのうち、私が知っているブランドを数えたら8つ(EZUMi、yoshiokubo、BSYR/YOSHIDAROBERTO、BASICKS、suport surface、ANREALAGE、HIROKO KOSHINO、DRESSEDUNDRESSED)しかなかった。私が東コレに関心を寄せていたのは5年前ぐらい。それで49ブランド中で8つ。いくらなんでも様変わりが激し過ぎるのでは無いだろうか。まあそれぐらい新陳代謝があった方がいいという言い方もできるが。それにしても、この5年間で東コレに出場しなくなったデザイナーたちは、冒頭で述べた「ato」のようにまだファッションを生業にしているのだろうか。「ファッションがお好きでしょ」という歌を井川遥風に歌ってくれていればよいが。

 

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